話題のクッカー「マルチグリドル」で作る!簡単レシピ4選を紹介

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こんにちは。くにぱぐ(パギー)です。今回はSNSなどで話題のクッカー「マルチグリドル」の活用記事です。「万能クッカー」とも謳われるマルチグリドルですが、実際使ってみて、便利な点、意外とそうでもない点の両方があると感じましたが、使っていくほどハマってしまう面白いクッカーです。簡単レシピを4品ほどご紹介しますよ!

マルチグリドルとは

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まず、マルチグリドルとは何か、という点について簡単にまとめてみます。

元々マルチグリドルは、韓国で焼肉系の料理をする際に使用されていた鍋を起源としたクッカーです。

日本では最初に「鉄板マルチグリドル」の名称でJHQというメーカーが発売しましたが、いわば「マルチグリドル」は「フライパン」や「ダッチオーブン」のような一般名称であることもあって、今では多数のメーカーから発売されています。

私はGRANDOOR製のを購入しました。木製ハンドルとバッグがセットになっていて、アウトドアには最適なマルチグリドルだと思います。

※JHQが公式サイト内で偽物への注意喚起を行っていますが、これは「JHQ製」を騙った偽物への注意だそうで、他メーカーの製品をすべて否定しているわけではないとのことです。

マルチグリドルの特徴としては、以下のような感じです。

  • 直径が30㎝程度と、一般的なフライパンよりも大きさがある。
  • 特殊フッ素樹脂コーティングでほとんど焦げ付かない。洗浄も簡単。
  • アルミ製で軽量。かつ熱伝導に優れている。
  • 深さが2cm程度あり、液体を相当量貯められる。

鉄板のような鍋のような、一風変わった見た目なので、「使いこなせないのではないか?」と尻込みしてしまう人もいるかもしれませんね。

しかし、実際使ってみると、「他のクッカーなら大変だけど、マルチグリドルなら簡単だな」と思える場面が非常に多いと感じました。実に良い意味で「すぼらなクッカー」なのです。

例えば、朝食。

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まずベーコンを焼き、その際に出た脂で目玉焼きを焼く、というベーコンエッグに加え、同時にトーストもマルチグリドルの空いたスペースで焼けてしまいます。

しかも調理を終えた後、そのまま食器として使っても違和感がないのも便利。まさにキャンプ飯に最適なずぼらクッカーです。

また、かなり驚いたのは餃子です。

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こちら市販の冷凍餃子なのですが、凍ったまま並べて火をつけ、水を注いでフタをして蒸し焼き、最後にフタを取って水分を飛ばしただけ。

それだけで完璧にもっちり、底面はカリッとした餃子に焼きあがりました。しかも焦げ付き・こびりつき、いずれも一切ありませんでした。

普通のフライパンですと、油がいるのはもちろんのこと、最初にフライパンを加熱しておいたり、熱湯を注いだり…と、細かく気を遣わないとこびりついてしまいますから、こんな適当でよいのか、とびっくりしました。ここまで餃子向きの調理器具はないのではないか、と思います。

その他、家庭でサムギョプサル(豚焼肉)を作ることも。

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惣菜のメンチカツを温めてみたりもしています。

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おひとり様で、もんじゃ焼きパーティをやることもあります。(これは別の記事で紹介しています)。

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その使い勝手の良さに笑いが止まらない状態です。

マルチグリドルは面倒な、難しい料理を考案するための道具ではなく、このぐらいの適当な使い方でも十分元の取れるクッカーです。

とりあえず買ってみて上記のあたりを試してみるのも、まずは良いと思います。

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※マルチグリドルは上記の餃子など、フタが必須のメニューもあります。26~28cmぐらいのフライパンのフタでもいいですが、アウトドアに持ち出すなら、百均あたりで買えるシリコン製のフタが軽くて便利ですよ。

本当に万能? マルチグリドルに適していないレシピも

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マルチグリドルは「万能」と言われることも多いクッカーで、これまで紹介したように、実際かなり幅広く使えます。

しかし、いろいろと使ってみた結果、「苦手」というか「わざわざマルチグリドルを使って作らなくてもいいかなあ」と思うものもありました。

私が「マルチグリドルは苦手かな?」と感じたことを箇条書きでまとめてみます。

  • 長時間の煮込み(浅いため、広範囲で蒸発してしまう)
  • 分厚いステーキを焼く(金属に厚みがなく、温度にムラもあるため)
  • 揚げ物(全体が揚げ油に浸からず、揚げ焼きになってしまう)
  • オムレツなど、端に寄せて固める調理(そもそも端がない)

画像はレシピ用に考えてみた、スパゲッティ・ウィズ・ミートボールですが、こちら、本来は鍋で30分程度は煮込む料理です。

マルチグリドルだとどうしてもそこまでの煮込みができず、トマト缶の酸味が立った、かなりとげとげしい味でボツになってしまいました…。

揚げ物なども「できる」としているメーカーの説明も多いのですが、わざわざマルチグリドルを使わなくてもいいのではと思います。

それと、フチのないマルチグリドルは、「端っこに寄せる」ことができないので、細かいものはまとめにくい傾向にあります。

オムレツもそうですし、実は炒飯なども結構米がこぼれます。この辺りは意識しておくといいでしょう。

一方でマルチグリドルは、「サッと炒める」「サッと煮る」のような料理には非常に適しています。どうせ使うのであれば、その辺りの料理がおすすめです。

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【注意】カセットコンロでマルチグリドルを使用する場合、鉄板の部分がコンロのガス缶の上に来ないようにしましょう(写真参照)。ガス缶が高温になり、爆発する恐れがあります。また、コーティングが傷つく危険があるので、焚火での使用も避けましょう。

マルチグリドルを使った簡単メニュー4選

ここからは、マルチグリドルを使ったメニューを幾つか紹介します。

いずれも私が在宅勤務の合間に作ってみたランチメニューですので、概ね10分でできます(ご飯を炊くものは別途炊飯の時間が必要です)。

しかもそのまま食べられますので、ソロキャンプなどにも適したメニューですよ!

【1】煉獄の卵

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聞いたこともあるようなメニュー名ですが、実はイタリアンレストラン「サイゼリヤ」の人気料理ですね。長時間の煮込みではなく、さっと煮込めばいいので、マルチグリドルでも美味しく作れます。

【材料(1人前)】

  • トマト缶 …1缶
  • ウインナー …4~5本
  • 刻みベーコン …大さじ2ぐらい
  • 刻みニンニク …大さじ1
  • フライドオニオン(タマネギでも可) …大さじ1
  • 卵 …2~3個
  • 黒瀬スパイス(無ければ塩胡椒) …適量

【作り方】

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(1)ウインナー、刻みベーコン、刻みニンニク(桃屋のが便利です)、フライドオニオンを中~強火で炒めます。フライドオニオンは刻みタマネギでも代用できます。

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(2)十分に火が通ったら、トマト缶を流し入れ、黒瀬スパイス(他のアウトドアスパイスでも可。なければ塩胡椒)で味付けします。かき混ぜつつ、沸騰するまで煮込みます。

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(3)沸騰したら弱火にし、卵を割ってダイレクトに落とします。そうしたらもういじらず、フタをして10分程度、白身が固まるまで煮込めば完成です。

【2】ペッパーランチ

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これも「ペッパーランチ」とそのままの店名で有名なお店の料理ですね。ポイントはご飯はパックご飯が使えるということ。一人前をサッと作ってそのまま食べられるのは楽しいです。

マルチグリドルの真骨頂みたいなメニューだと思います。

【材料(1人前)】

  • パックご飯 …150g
  • 牛肉ないし豚肉(小間切り) …200g
  • 焼肉のたれ …大さじ2
  • コーン …大さじ2
  • フライドオニオン(無くても可) …大さじ1
  • バター …10g
  • 黒胡椒 …お好みで
  • 刻みネギ …大さじ2
  • ドライパセリ …お好みで

【作り方】

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(1)パックご飯を開封したらそのまま火をつけていないマルチグリドルの中央に置き、周囲に肉を敷き詰めます。

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(2)ネギ、コーン、フライドオニオン(無くても可)を乗せたら、黒胡椒を振ります。お好みですが、たっぷりかけましょう。さらにこの上にバターとパセリを乗せたら、お店で「ペッパーランチ」として出てくるだいたいの状態になります。

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(3)強火にかけ、混ぜながら炒めます。味付けは焼肉のたれが簡単です。混ぜながらかけましょう。肉に完全に火が通る頃にはご飯もバラバラになり、十分食べられる状態になります。これで完成。

【3】キーマカレー

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ここまでの2品と違い、一応完全オリジナルです。トマトジュースを使うのですが、マルチグリドルは煮詰まるのが早いので、あっという間にできてしまいます。

ただし、ご飯は別に炊いてください(ペッパーランチと異なり、パックご飯を炒める工程がないためです)。

【材料(1人前)】

  • 炊いたご飯 …茶碗1~2杯
  • 牛挽肉(もしくは合挽肉) …150g
  • トマトジュース …200ml
  • 刻みニンニク …大さじ1
  • フライドオニオン(タマネギでも可) …大さじ1
  • ブイヨン …1個
  • 黒瀬スパイス(無ければ塩胡椒) …適量
  • カレー粉 …大さじ1~3
  • ゆで卵 …1個
  • ドライパセリ …お好みで

※チリペッパー、クミン、コリアンダー、ガラムマサラなどのスパイスもお好みで追加してOK

【作り方】

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(1)マルチグリドルに、刻みニンニク(桃屋のが便利です)、フライドオニオン(無ければタマネギ)、挽肉、ブイヨンを入れ、中火で炒めます。

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(2)火が十分に通ったら、トマトジュースとカレー粉、黒瀬スパイス(他のアウトドアスパイスでも可。なければ塩胡椒)で味付けします。カレー粉は入れるほど辛味が増すので、お好みで調整しつつ、煮詰めていきます。

お好みですが、各種スパイスをここで足しても面白いと思います。

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(3)完全に汁気が無くなったら火を止めます。この段階でもカレー粉は混ぜれば馴染みますので、味見して足りなければ足しましょう。ご飯を横に盛り、ゆで卵を乗せ、ドライパセリを振りかければ完成です。

【4】レモンライス

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ちょっとマニアックな料理もご紹介です。レモンライスは南インドの米食文化がベースの料理で、日本でいう「梅茶漬け」的な、さっぱりとした味わいが特徴の炒めご飯です。

少しお高めの本格的なレトルトカレー(スリランカカレーがおすすめ)とも相性が良く、高級感あるランチになりますよ。

【材料(1人前)】

  • お米(できればバスマティライス) …150g(1合)
  • レモン果汁 …大さじ2
  • ターメリック …小さじ1
  • マスタードシード …小さじ1
  • クミン …小さじ½
  • 輪切りトウガラシ …少々
  • 黒瀬スパイス(無ければ塩胡椒) …少々
  • サラダ油 …大さじ1

【作り方】

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(1)お米は1合程度を普通に炊いておきます。

バスマティライスの場合、水の量は日本のお米と同量で美味しく炊けますが、30分以上の吸水は必須です。また、お米が壊れてしまうので、研がずに洗うだけにしましょう。

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(2)マルチグリドルにサラダ油を敷き、ターメリック、マスタードシード、クミンを軽く熱したら、炊きあがったご飯と一緒に中火で炒めます。

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(3)続けて、レモン果汁、黒瀬スパイス(他のアウトドアスパイスでも可。無ければ塩胡椒)、輪切りトウガラシを入れてさらに炒め、ご飯が完全に黄色くなるまで混ざったら完成です。

お好みのレトルトカレーを合わせて食べると美味しいのですが、レトルトカレーも湯せんはいらず、開封したものをマルチグリドルで加熱できます。すぐに熱々になりますよ。

敷居は低く、奥が深いマルチグリドル とにかくなんでも試してみましょう!

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SNSを見ていると「何に使っていいかわからない」という声もよく見かけるマルチグリドル。私もしばらく様子見…だったのですが、実際手に取ってみると、本当に便利で使いやすい調理器具だと感心しました。

いかにも韓国料理らしい、いい意味で割り切ったクッカーなので、様々な料理に当てはめて行き、良かったら使えばいいや、という感じで試しています。

今回紹介の4品は、その中でも特にいい感じにハマった料理です。

皆さんもこちらをヒントに、面白いアイデアキャンプメシを実践してみてください!

▼マルチグリドルに深型も!詳しくはこちらの記事を参考に。

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