海上にひしゃげたドア枠、破損した回転翼…宮古沖陸自ヘリ事故 海保など捜索を継続

 【宮古島】「陸上自衛隊」と印字されたひしゃげたドア枠、一部が欠損した回転翼など、海上から回収された物は事故の重大さを物語っていた。6日午後に沖縄県宮古島市北方の洋上で陸上自衛隊のUH60JA多用途ヘリコプターの行方が分からなくなった事故で、自衛隊や第11管区海上保安本部は7日も夜を徹してヘリに搭乗していた隊員を捜索した。

 事故から一夜明けた7日朝、現場では11管の巡視船が航行し、その上空を自衛隊機が飛行した。捜索海域が見渡せる宮古島市・池間島の西側海岸や、現場の西側に位置する伊良部島からは、自衛隊員が双眼鏡で現場海域を確認したり、動画を撮影したりする様子が見られた。

 伊良部島の東側にある「フナウサギバナタ展望台」では、雨が降りしきる中、自衛隊員が双眼鏡を使い、険しいまなざしで現場海域を見詰めていた。同展望台の北側にある白鳥岬公園でも、自衛隊員6人が数キロ先に見える巡視船の動きを確認しながら海上を監視した。

 宮古島海上保安本部の山添岳大警備救難課長によると、天候不順で視界が悪い時間帯や夜間は、サーチライトと赤外線カメラも使用し捜索を継続した。「一刻でも早く行方不明者を発見したい」と語った。

 県警は7日、機動隊員のレスキュー部隊の派遣を決めた。関係機関と連携の上、現場周辺海域や海岸線などの捜索に当たる。

(友寄開)

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