ノンフィクション作家の川田文子さん死去、沖縄で元慰安婦取材 79歳

 ノンフィクション作家で、沖縄で日本軍の「慰安婦」にされた朝鮮半島出身の女性を取材し、著書を残した川田文子(かわた・ふみこ)さんが2日午後8時51分、胃がんのため東京都の病院で死去した。79歳。自宅は東京都。葬儀・告別式は近親者で行った。

 茨城県生まれ。戦時中に朝鮮半島から日本軍「慰安婦」として沖縄に連れて来られ、戦後も沖縄で生き続けた裴奉奇(ペポンギ)さん(享年77)の半生を丹念に取材し、長編ノンフィクション「赤瓦の家 朝鮮から来た従軍慰安婦」(1987年)にまとめた。長年元慰安婦らへの取材を重ねると同時に、元慰安婦への国家補償を求める市民基金の代表に就き、アジア各地の慰安所を調査した「日本の戦争責任資料センター」の共同代表なども務めた。

 著書に「皇軍慰安所の女たち」「戦争と性」など。

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