統一地方選挙2023前半戦・注目選挙総まとめ【知事選・市長選】

明日に投開票日が迫った統一地方選挙・前半戦。元地方議員の筆者が注目している選挙の構図をまとめて解説いたします。投票の前にぜひ参考になさってくださいね。

【北海道知事選挙】

統一地方選・知事選で全国で唯一の与野党激突

再選を目指す鈴木直道氏は自民、公明両党に、新党大地の推薦を受けています。夕張市長から転身し全国で最年少の知事となった前回から、コロナウイルス対応などで独自の緊急事態宣言行った実績などを掲げています。

これに対し、元衆議院議員の池田真紀氏には、立憲民主党が推薦、共産党、社民党、国民民主党道連、市民ネットワーク北海道が支持。今回の統一地方選挙で行われる9つの知事選挙の中で唯一、国会での与野党が正面対決する構図となっています。

他に、建設設備業を営む門別芳夫氏、元美容師でギター弾きとして全国を回る三原大輔氏も立候補しています。

【神奈川県知事選挙】

4選目を目指す現知事に、3新人が挑む

4選をうかがう黒岩裕治氏は自民、公明、国民民主の各県組織から推薦を受けています。コロナウイルス対策などの実績に加え、少子化対策や防災強化を進める政策を訴えています。

共産党推薦の岸牧子氏は前回に続いての挑戦となります。再生可能エネルギー100パーセントの実現、医療体制の拡充などを訴えています。

政治家女子48党の大津綾香氏は若者や女性に政治に関心を持つことの楽しさを伝え、政治参加の促進を掲げています。

選挙制度改革を訴える医師の加藤健一郎氏も立候補されています。

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【福井県知事選挙】

再選を目指す現職と新人の一騎打ち

再選を目指す杉本達治氏は、自民党、公明党、立憲民主党の推薦を受けています。杉本氏は前回、保守分裂選挙の中で5選をうかがった当時の現職を破りました。1期目の実績に加え、来春の北陸新幹線延伸を見据えたまちづくりなどを訴えています。

共産党の金元幸枝氏は前回、前々回に続いて3度目の立候補になります。金元氏は「いのちとくらしを大切にする県政に」を掲げて臨んでいます。

【大阪府知事選挙】

実績掲げ再選目指す現職に新人5人が挑む

前回、大阪市長職を辞職して選挙に臨んだ地域政党・大阪維新の会の吉村洋文氏が2期目を目指します。吉村氏はコロナウィルス対策で全国に先駆けた対応、行政改革の実績に加え、大学までの教育無償化などの政策を訴えています。

自民党や立憲民主党の各府組織などが自主的に支援する谷口真由美氏は、「子育てしやすい学びが楽しい大阪へ」をフレーズにしています。

共産党推薦で元参議院議員の辰巳幸太郎氏は、カジノ誘致中止などを訴えています。参政党新人の吉野敏明氏は「外資に依存しない、地域のまもり」などを掲げています。

政治団体「新党くにもり」の新人、稲垣秀哉氏は「日本一清潔な選挙を戦う」ことなどを訴えています。

政治家女子48党の新人、佐藤さやか氏は「女性と若者の政治参加」を掲げています。

【奈良県知事選挙】

保守分裂に維新参入で、今知事選屈指の激戦に

5期目を目指し、16年の実績を掲げる現職の荒井正吾氏は国民民主党の県組織と一部自民県議らが支持しますが、自民党の県組織推薦、立憲民主党の県組織支持で「奈良には奈良の改革がある」をうたう平木省氏と実質、保守分裂となっています。

元奈良県生駒市市長で知事選2度目の挑戦となる日本維新の会新人・山下真氏は、「教育無償化・子育て支援」を掲げ、所属政党の大阪以外での初の公認候補の知事誕生を目指しています。

共産党推薦の新人・尾口五三氏は「大型開発優先ストップ」などをうたっています。

「教育振興」などを掲げる元英語講師の西口伸子氏、製造業会社勤務の羽多野貴至氏は「少子高齢化」を訴えて立候補しています。

【徳島県知事選挙】

保守3分裂で激戦に

6期目を目指す現職の飯泉嘉門氏は自民党の県組織の推薦を得て、5期20年の実績や2025年の大阪・関西万博を見据えた成功戦略などを訴えています。

8期連続当選した衆議院議員時代に自民党福幹事長などを歴任した後藤田正純氏は、「徳島を取り戻す 県民主役の県政に」をかかげ、参議院時代に自民党環境部会長などを歴任した三木亨氏は「徳島再起動」を訴えています。

以上の自民党系3氏に、共産党新人の古田元則氏が「安心!元気!希望の徳島へ」を掲げて立候補しています。

【大分県知事選挙】

新人2人の一騎打ち

自民党と公明党の県組織の推薦を受ける佐藤樹一郎氏は、大分市の市長を歴任した経験もあります。

「多様性を受け入れる 支援を擁する人に寄り添う社会」の実現などを訴えています。

特定政党の公認・推薦・支持を求めない完全無所属としての立候補を全面に押し出している安達澄氏は、2019年の参議院議員選で「野党統一候補」として初当選した議席を辞して「惰性を断つ 新しい風 大分に」を掲げての立候補となっています。

【鳥取県知事選挙】

5期を目指す現職と新人の一騎打ち

自民党、立憲民主党、公明党のそれぞれの県組織から推薦を受ける現職の平井伸治氏。コロナウイルス対策などの実績に加え、地域経済の再生を訴え「危機を突破し、新たな歴史を鳥取から」と意気込み、6期目を目指しています。

共産党の新人、福住英行氏は2019年に続いて2度目の挑戦です。原子力発電所の再稼働反対などを訴え「大軍拡・大増税にきっぱりと反対する県政に」を掲げての立候補です。

【島根県知事選挙】

2期目を目指す現職に新人2人が挑む

2期目を目指す現職の丸山達也氏は、保守分裂選挙を制した前回と周りの状況が打って変わっています。

今回は自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党の国政4政党から推薦を受けました。1期目に取り組んだ新型コロナウイルス対策の実績をアピールし、「島根創成を進め、県民生活と県民経済を守る」を2期目のフレーズに、雇用拡大や子育て世代支援などをかかげています。

共産党の新人、向瀬慎一氏は島根原発2号機の再稼働反対などを掲げ「岸田政権にノー」を島根から示そう、とアピール。

元浜田市市議で、久保田の職員飲酒もみ消しをぶっつぶす党・新人の森谷公昭氏は「知事選挙 楽勝させない!」を掲げています。

【札幌市長選挙】

3選を目指す現職と「五輪招致反対」2候補との争い

3選に挑んでいる現職の秋元克広氏は、立憲民主党、地域政党・新党大地が推薦、自民党、公明党、国民民主党の道組織が支持しています。2期8年間の実績を訴え、「安心と、希望。」をフレーズに幅広い層にアピールを展開しています。

無所属で立候補の元札幌市職員・高野馨氏は「2030年札幌冬季五輪招致反対!」を掲げ、共産党新人の木畑秀男氏も同じく「五輪招致はきっぱりと中止します」と2030年冬季五輪・パラリンピック招致への反対を訴えています。

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【大阪市長選挙】

5新人で、「維新」政治の是非を問う争い

現市長の引退に伴う5人の新人候補での争い。

地域政党・大阪維新の会から立候補している前大阪府議会議員横山英幸氏は、松井一郎現市長の後継候補として、大阪での松井市長らの実績も強調した上で、「府市一体で大阪を前へ!!維新は挑戦をやめない」と大阪府とのこれまで通りの連携もアピールしています。

無所属で立候補の北野妙子氏は、元自民党の大阪市会議員。「住んでよし・働いてよし・訪れてよし 居心地のいい先進都市 大阪市へ」をフレーズにしています。また、北野氏はIR誘致に関して、情報開示の徹底と住民投票を行うことが公約です。

無所属の荒巻靖彦氏は「外国人生活保護費廃止!」を訴え、同じく無所属のネペンサ氏は「大阪を論理的に賢く自由で優しい街に」をアピール、また無所属の山崎敏彦氏は「いつまで緊縮財政を続けるねん?」と疑問を投げての立候補となっています。

【広島市長選挙】

4期目に挑む現職に2氏が挑む

4期目を目指す松井一美氏は、自民党、公明党の地域組織の推薦を受けています。世界に誇れる「まち」広島を目指して、をフレーズに広島市中心部の開発実績を訴えています。さらに「大改造」として、市中心部を活力とにぎわいのあるまち、とすることを掲げています。

共産党の新人、高見篤己氏は立候補表明が公示直前になるなどしました。「市民の声が生きる広島を ご一緒に」とソフトに訴え、くらし・福祉・文化の充実を訴えています。

完全無所属で立候補の大山宏氏は「核戦争がいつ始まってもおかしくない現状に具体的な背策を」と被ばくを経験した都市からならではの発信をしています。

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