初優勝のローソン「昨日は眠れなかった」野尻「ペースがないという感覚があった」【SF第1戦決勝会見】

 4月8日に富士スピードウェイで開催された2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦。決勝後の会見でデビューウインを飾ったリアム・ローソン(TEAM MUGEN)、2位の野尻智紀(TEAM MUGEN)、3位の平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、そしてTEAM MUGENの田中洋克監督がレースを振り返った。

■リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

決勝 優勝

「本当に素晴らしいレースだったね。スタートは完璧ではなかったけど、3番手をキープすることはできた。そこからは自分のリズムをつかむことができ、最初のセーフティカー後には2番手にポジションを上げることができた」

「その後もクルマの前後のバランスが非常に良く、走りやすく、かなり心地良く走ることができた。終盤もう一度SCが入った際にはやばいなとも思ったね、あれはかなりストレスだった。でもそのままの順位でチェッカーを受け、勝つことができ、本当に嬉しい。TEAM MUGENに感謝している」

「占有走行(フリー走行)がなかったことで、練習もできなかったけど、朝の予選を上位で終えて、決勝もTEAM MUGENのふたりでワンツーで表彰台に立てたということはTEAM MUGENが素晴らしいチームであるからだと思う。ありがとう」

「正直、昨日はほとんど眠れなかった。眠るのに何時間もかかった。やはり僕も緊張して不安もあったんだ。だけど、僕はベストを尽くすしかない。勝つために頑張るとか、そこまで考えず、とにかくベストを尽くす。それを目標にしていたんだ」

「そのなかで今回のレースは勝つことができた。それは僕がベストを尽くしたからかもしれないけど、個人的にはチームが素晴らしい仕事をし、いいクルマを作ってくれたからだと思っているよ」

「(SFのヨコハマタイヤの感触について問われ)ヨーロッパでFIA F4に乗り始めてから昨年のFIA F2までずっとピレリでキャリアを重ねてきたけど、SFのヨコハマタイヤとピレリはぜんぜん違うね」

「正直、このヨコハマタイヤに慣れるには時間がかかった。SFのタイヤの特徴はいつまでもプッシュできるようなタイヤだということ。ドライバーにとって最後までプッシュできる感覚は最高の感覚だよ。今後もさらにこのタイヤに馴染むためにいろいろなことを試していきたいね」

2023スーパーフォーミュラ第1戦富士を制したリアム・ローソン(TEAM MUGEN)

■野尻智紀(TEAM MUGEN)

決勝 2位

「いろいろとクルマ、タイヤが変わってというなかで、鈴鹿のあと、もちろんGTのテストもあってすごく忙しく時間がないなかで、チームと一緒にセットアップを考えてやってきた結果が、このワンツーに表れてるかなと思います」

「その結果が実ったなっていうところで、ひとまずほっとしています。僕自身は今日は負けてしまったのですけど、走っている途中に『これはちょっと、僕に(ローソンを抜ける)ペースはないな』という感覚があったので、仕方がないという思いもあります」

「明日に向けて、今直さなきゃいけないなと思っているところに対し、いろいろなトライをしてみて、どうなるかを見てみたいなと思います。まだ1戦目が終わったばっかりなので……満足しています」

「(SF19とSF23は)クルマ自体はぜんぜん違いますね。でも、チーム力(の差)はというのはあると思います。前回のテストでうまくいっていなかったところから、『富士はどうすればうまくフィットするのか』と考えて、その予想をどこまで細かくやれるか。というところで、僕たちTEAM MUGENは非常に優れていると思います。ドライバー的にも僕自身はそういう細い作業が好きなので、チームと話し合いながら進められたたというところで、周りのチームよりもいい時間を過ごせたのではないかなとは思っています」

2023スーパーフォーミュラ第1戦富士 野尻智紀(TEAM MUGEN)

■田中洋克監督(TEAM MUGEN)

「ワンツーという結果で開幕戦を終えることができ、本当に嬉しく思っています」

「今年はレッドブルのプロジェクトがTEAM MUGENに戻って、リアム選手がチームのメンバーに加わりました。速いドライバーだというのは当然わかっていたなかでしたので、当然結果を残さないといけないという使命もありました」

「早く表彰台、早く優勝というのを目標にチーム一丸となって準備もしてきたのですけども、いきなり開幕戦で予選3番手から優勝とは(笑)。レースの内容、ペースを見ても多分一番速いペースで走れていましたし、すごいドライバーが現れたというふうに思っています。まず富士が初めて、SF初参戦で優勝というのは、もう出来過ぎというか……」

「あとチームですが、今年はいろいろと社内の体制が変わって、メンバーも変わりました。なので、うまくチームワークをとって、うまくやっていかなくちゃいけないという不安もありました。でもタイヤ交換もチームワーク良くやれましたし、レースでもエンジニアも、メカニックも、ドライバーも、みんなが頑張ったおかげでいい結果が残せました。本当にありがとうございました」

2023スーパーフォーミュラ第1戦富士を制したTEAM MUGENの田中洋克監督

■平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

決勝 3位

「朝の予選はいろいろと問題があり、その中で7番手だったので、レースに向けての自信はありました。下位に沈みましたけど、感触は良かったので」

「いろいろと考えてクルマを大幅に変えて、レース前の8分間(ウォームアップ走行)に間に合わなかったのですけど、そこまでしていろいろと変えてもらい、おかげで決勝はうまく走ることができ、感触も良かったので、結構バタバタはしていたのですけど、とりあえず第1戦はうまくクリアできたかなという感じはしています」

「明日に向けては、自分としてはすごく自信はあるので、すごく楽しみにしています」

「クルマとタイヤが変わったのは確かなのですけど、クルマの性能、タイヤのパフォーマンスを最大限使うというところは同じです。鈴鹿のテストでは結構探り探りだったので、タイムとかには現れてはいなかったのですけど、でもしっかりと鈴鹿テストではデータを積み重ねていました」

「ベースラインはそこまで変わっていないので、そこからの組み合わせとかで間違えずにやれたのかなと。予選は少し失敗したのですが、決勝はうまくまとめることができたので、自分としては結構このクルマとタイヤを使いこなせる見通しはついたと思います」

2023スーパーフォーミュラ第1戦富士 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

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