明治座の定番お弁当は下町情緒たっぷりの深川弁当で！幕間には気分を変えてジェラートを

開演前、そして幕間のお楽しみがたっぷり！の明治座。
明治座での観劇は”お弁当込み”と言っても過言ではないほど、充実。定番メニューの他にデザート、公演にちなんだ限定メニューなど、迷ってしまうくらい。今回は定番のお弁当と、1月公演で好評だったイタリアンジェラートをご紹介。

実は定番の「深川弁当」は「漁師のまかない深川めし」の品名で日本食料新聞社主催の「ファベックス惣菜・べんとうグランプリ2023」「金賞」を受賞した折弁当。料理長はミシュラン3つ星を獲得した料亭で20年修行を重ねた土屋実、平成24年より料理長として腕を振るっている。これは明治座に行ったら食べないわけにはいかない！
今回ご紹介するのは「深川弁当」（税抜1000円）。深川めしは農林水産省が選定した郷土料理百選にも選ばれているもの。観劇の前に、あるいは幕間に食べたいお弁当。浅利の語源だが、「漁る」から来ているという説が有力。江戸時代、浅利は庶民に人気の食材、出汁要らず、深川めしは元々は浅利のすまし汁をご飯にかけて食べる、ぶっかけ飯。このお弁当では炊き込みご飯に。味噌仕立てで、ほんのり味噌の甘み、浅利の旨味がしっかりと楽しめる薄めの味に。

味噌の産地はもちろん『江戸』、糀を使った甘みと少なめの塩分が特徴、大正8年創業の日出味噌醸造元の甘味噌を使用。浅利がふんだんに入っていて、しかも身もぎっしり。そして油揚げでコクを出して食べ応えあり。ネギも炊き込み、シンプルに浅利の旨味を楽しみつつも、ネギや油揚げで味わい深くしている。

幕の内弁当の定番のおかず、玉子焼き、赤魚漬け焼き、赤蒲鉾、金平ごぼう、人参、里芋、蕗、花麩。玉子焼きは甘く上品な味わいに仕立て、赤魚の漬け焼き、醤油に漬けて焼いたもの。赤魚は白身魚で淡白な味わいの魚で西京漬などにして焼くことが多い。このお弁当では醤油だが、こちらも薄めに仕立て、主張しすぎないように全体のバランスをみての味付け。金平ごぼうは市販されているものは醤油の色が濃いが、このお弁当の金平ごぼうはごぼうの色がはっきりわかる。蕗は緑鮮やか、旬は3～5月。こちらはごく薄く、だしを効かせた仕上がり。なお、このお弁当の煮物は、素材ごとに調味料の配分を変える、いわゆる”炊き合わせ”。素材の風味や色を引き立たせるために薄味に仕上げるのが特徴。

そして江戸の料理といえば、佃煮。のり豆の佃煮は見た目に反してあまり塩辛くない。これだけつまんでもOK。磯の香りがして美味。浅利の炊き込みご飯と一緒に口に入れてものり豆の味が勝ることはない。佃煮の発祥の地は、江戸の佃島（現在の東京都中央区）。佃煮は保存食として大変重宝され、美味しい料理として、日本全国にも広がっていった、まさに江戸から全国へ！
栄養的には炊き込みご飯の浅利はミネラルが豊富な春の貝、肝機能の働きを助け、エネルギーの代謝をあげるタウリンもたっぷり補給。カルシウムとタウリンが豊富に含まれており、鉄分も牛肉より多く、まさに健康食材。ビタミン12は100gあたり52.4μg。赤血球を合成するのに必要な栄養素。不足すると貧血や不眠や肩こり、腰痛などを伴う神経障害に。水溶性ビタミンなので水に溶けやすいので炊き込みご飯にすることで浅利の栄養をしっかり！しかもこの炊き込みご飯は味噌仕立て。味噌は言わずと知れた発酵食材。また浅利の旨味成分はコハク酸。

また、「デザートは別腹」という方にはジェラートを。1月公演のミュージカル『チェーザレ破壊の創造者』で大好評であったのを継続販売。ジェラートの有名店「マリオジェラテリア」、2種類を販売。ピスタチオナッツ、ベルギーチョコレートなど様々なフレーバーがあるが、どのフレーバーが販売されるかは当日のお楽しみ。