地域の安全・繁栄祈願 富山市大沢野で高砂山願念坊祭、児童が踊り奉納

下大久保会館近くで踊りを披露する児童たち

 富山市下大久保地区(大沢野)の伝統行事「高砂山(たかさごやま)願念坊(がんねんぼう)祭」が8日、行われた。4年ぶりの通常実施で、児童が全12町内を巡って願念坊踊りを奉納し、地域の安全や繁栄を祈願した。

 下大久保自治振興会と高砂山願念坊祭保存会が実施し、大久保小学校の児童27人が参加した。

 子どもたちは法被やみこ装束などに身を包み、農作業時のくわを振り下ろすしぐさや、僧侶が拝む動きなどを取り入れた3種類の踊りを披露した。三味線や和太鼓の演奏、こぶしを利かせた歌に合わせ、真剣な表情で踊っていた。

 願念坊踊りは戦国時代、織田信長と石山本願寺が争った石山合戦の和睦を喜び、越中の僧侶らが踊ったのが始まりとされる。過去3年間は新型コロナウイルスの影響で、中止したり規模を縮小したりしていた。

 約160年前に現在の富山市八尾町今町から譲り受けた市指定有形民俗文化財の曳山(ひきやま)「高砂山」の練り歩きは、天候不良のため途中で取りやめた。

© 株式会社北日本新聞社