ノスタルジアに浸れる、世界中の旅行者を魅了するキューバってどんな国?

「カリブ海の真珠」と呼ばれるキューバは、本島のほか1,600以上の島や岩礁からなる、カリブ海最大の島国です。昨今は、ノスタルジアを感じる渡航先として人気を集めています。そこで今回は、キューバの基本情報やおすすめ観光スポット、世界遺産、人気のスポーツなどをご紹介!

キューバの基本情報

キューバは米国のフロリダ半島(キーウェスト)から150km南にある国。面積は110,861平方キロメートル(日本の本州の約半分)で、北回帰線のすぐ南に位置し、気候は亜熱帯で1年中温暖なのが特徴です。

人口は約1,131万人(2021年)。住民はスペイン系の白人、黒人系、混血、東洋系など多種多様な人種が混在し、独特な雰囲気をつくり出しています。

16世紀から19世紀末まで約400年近くスペインの植民地だったため、言語はスペイン語で、宗教はカトリックやプロテスタントが主です。

そんなキューバは1902年に独立。国旗は、その際、流された血のほか、正義と力を象徴した「赤」、独立の精神の「白」、「青い3本の線」は独立当時の東部・中部・西部の3州、「白い星」は輝かしい未来を象徴しています。

キューバへ行くには?

日本からキューバの首都ハバナまでの直行便はありません。そのため、アメリカやメキシコ、カナダなどを経由するフライトを利用するのが一般的です。経由便への乗り継ぎを含め18時間以上かかります。

2023年4月現在、観光目的かつ30日以内の滞在の場合、日本人のキューバ渡航にビザは不要です。ただし、「ツーリストカード」と呼ばれるビザの代わりになるものが必要になります。ツーリストカードの申請は、キューバ大使館(直接行くか、WEBサイトで申請書をダウンロードして郵送)、もしくは旅行会社で代行手続きしてもらいましょう。

また、パスポートの残存有効期間は入国時に3カ月以上必要ですので、有効期限の確認を忘れないようにしてくださいね。

キューバの最新の渡航情報について詳しくは下記をご覧ください。

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_245.html

ツーリストカードについて詳しくは下記をご覧ください。

https://www.cu.emb-japan.go.jp/jp/taizai.html

ノスタルジックな雰囲気が漂う首都「ハバナ」

©︎ Kamira / Shutterstock.com

16世紀の初めにスペイン人によってつくられたハバナは、コロニアル建築が並ぶ美しい街です。

また、ハバナといえばクラシックカー。アメリカ支配下の1940~50年代に輸入された車が現役で走っています。赤・青・黄・緑などカラフルな車をタクシーとして利用したり、レンタルすることができます。

キューバでは、ソンやルンバといった音楽が有名です。これらの音楽はヨーロッパの植民地化時代にアフリカから連れてこられた人々の文化にさまざまな文化が融合し、生まれました。ハバナを歩いていると、陽気な音楽が流れてきて、思わず踊りたくなりますよ。

さらに、サトウキビ栽培が盛んなキューバではラム酒がつくられています。モヒートやダイキリ、ピニャコラーダなどすっきりとした喉ごしの甘いカクテルが絶品! ハバナのレストランやバーをはしごしてお気に入りの一杯を探すのも楽しそうですね。

ハバナ

カリブ海を代表するリゾート地「バラデロ」

ハバナの東方約150kmにある「バラデロ」は、カリブ海を代表する常夏のリゾート地です。約28kmにわたって続く真っ白な砂浜が眩しく、ビーチ沿いにはオールインクルーシブのリゾートホテルが並んでいます。

バステロのビーチは、砂は細かく、透明度の高い海が特徴で、浅瀬で波が低く安全性が高いため、海水浴をしたり、マリンスポーツを楽しんだり。思い思いのビーチステイを実現できます。

ハバナと比べると静かに過ごせるのも魅力のひとつ。観光スポットといえる場所も少ないため、のんびりとしたキューバを堪能したい人にはもってこいです。

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キューバ革命以前は、裕福なアメリカ人がこの地に別荘を建て、バカンスに訪れていました。その別荘が今ではレストランやホテルに。食事や宿泊で訪れれば、古き良き時代のキューバを思う存分、味わうことができますよ。

バラデロ

カリブ海を見渡せる「サンティアゴ・デ・クーバのサン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城」

キューバには9つの世界遺産(文化遺産7つ・自然遺産2つ)があります。1997年に世界遺産に登録された「サンティアゴ・デ・クーバのサン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城」は、スペインとイギリスの紛争による海賊行為からサンティアゴの港を守るため、スペイン国王フェリペ2世の命により岩の岬に造られた巨大な城塞です。

要塞、弾薬庫、砲台などが配備された城塞は、イタリア人技師による設計で、ルネサンス様式に基づいていて、堅固でありながらも優美さが漂っています。

サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城

住所:X49H+CW8, Santiago de Cuba

どこか懐かしい農村風景が広がる「ビニャーレス渓谷」

キューバ島西端の都市ピナール・デル・リオの北方、オルガノス山脈にある「ビニャーレス渓谷」は、1999年に世界遺産に登録されました。いくつもの小高い石灰岩の山々に囲まれた、どこか懐かしさを感じる、のどかな農村風景が広がっています。キューバの中でも最も緑豊かな地域として知られているのです。

この渓谷では、今でもキューバの特産物である葉巻の原料「タバコ」を伝統的な農法で栽培しています。

また、昨今はハイキングやロッククライミングで人気のスポットに。植生豊かなキューバの山岳地帯をハイキングすれば、心身ともにリフレッシュできそうですね。

ビニャーレス渓谷

住所:J74F+3QF, Viñales, Cuba

キューバで人気のスポーツは?

キューバで人気のスポーツは野球です。オリンピックでは、1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2004年アテネと3度、金メダルに輝いています。WBC(ワールドベースボールクラシック)は第1回大会から常に2次ラウンド進出を果たしていて、2006年第1回大会では準優勝に! 記憶に新しい2023年第5回大会では8位になりました。

なぜキューバは野球が強いのでしょうか? 実は1959年のキューバ革命後、国家元首となったフィデル・カストロ氏が国技を野球と定め、義務教育に取り入れるなどしたことで、優秀な選手を次々と輩出しているのです。また、社会主義のキューバでは、野球選手たちは国家公務員!

しかし、近年はより多くの報酬を求め、アメリカの大リーグで活躍するために、亡命する選手が後を絶ちません。

この先のキューバの野球はどうなっていくのでしょうか。気になるところですね。

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