6年越しの「月丼」撮影に成功!沖縄・石垣で「曇り空が多い島。撮れたのは奇跡」仲村渠さん

 【石垣】6年越しの思いがかなった「月丼」―。沖縄県石垣市の工芸職人、仲村渠麻里奈さんは2日、月に飛行機が重なる写真撮影に成功した。航空機や写真愛好家らの間で、月が丼や白米、飛行機が具で、丼ものになぞらえ「月丼(月ドン)」と呼ばれる写真だ。仲村渠さんは「曇り空が多い石垣島で撮れたのは奇跡」と声を弾ませた。

 2日の石垣島上空は晴れ間が広がった。「撮れるかも」。アプリで月の位置や航空機の離着陸を調べ、島の東側にある新石垣空港より北側に向かい、農道に車を止めた。

 600ミリの望遠レンズを装着した愛用のミラーレス一眼カメラを白い月に向けた。1時間半ほど経った午後4時半ごろ、「当たった(重なった)」。ずっと狙っていた光景がファインダー越しに見えた。1秒に12コマ撮影できるカメラの連写モードを駆使し、夢中でシャッターを切った。

 撮れたことは分かっていたが「夢みたいで、しばらくぼうぜんとした」。およそ5分後、写真を確認すると見事な「月丼」が収まっていた。

 6年前SNSで、県外の空港で撮影された月丼の写真を見て自身が住む「石垣島で撮りたい」と思い、写真を始めた。以来、ほぼ毎月6年かけ少なくとも100回以上狙ってきたが思うように撮れなかった。月も飛行機も天候や風向きに左右されることに加え、焦点の合わせ方やカメラの設定などいくつものハードルがあり、月丼を撮るのは難しかった。

 ようやく撮れた写真に「ちょっとピンぼけだけど、うれしい」。「もっといい写真を撮りたい」と仲村渠さんは今後もシャッターを切り続ける。

(照屋大哲)
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