横浜の住宅密集地、空き家跡地に「まちの防災広場」 町内会が整備、地権者にもメリット

空き家解体後の跡地に整備された防災広場=6日、横浜市金沢区洲崎町

 大規模地震で延焼火災のリスクがある横浜市金沢区の住宅密集地に3月、空き家を解体して整備された「まちの防災広場」が完成した。日頃は地域の訓練や行事の場となり、いざという時は一時的な避難場所として活用できる。市や地権者と協力して整備に取り組んだ地元町内会は「安心感が高まった」と喜んでいる。

 広場が完成したのは、金沢八景駅近くの平潟湾に面した同区洲崎町。一帯は道幅の狭い住宅密集地で、市が進める地震火災対策の対象地域に指定されている。地元町内会などが中心となって課題の改善に向けた防災まちづくり計画を作り、道路の拡幅や建物の不燃化といった取り組みを重ねてきた。

 そうした対策の一環で市の補助事業を活用し、地権者に働きかけて老朽化した空き家を解体。跡地に広さ約150平方メートルの広場を整備し、ブロック塀を低いフェンスに改善した。全体で380万円余りを要したが、大半を市の補助金で賄ったという。

 洲崎東部町内会の菊地清一会長は「2年ほど前から取り組み、地権者の協力で実現させることができた。地震の時に火災が燃え広がることを防ぐ効果も期待できる」としている。

 市によると、この事業による広場の整備は、中区本郷町3丁目、西区東久保町に次いで3例目。地権者には土地の固定資産税が非課税となるメリットがある。

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