【レビュー】「推し」って韓国語で言える?『世界が広がる 推し活韓国語』実用フレーズ満載のマジで使えるあの良書が韓国語で登場

昨年3月に発売され注目を集めた『世界が広がる 推し活英語』(発行:学研プラス)。日米のオタクが本気で作った単語・フレーズ集とあって、「推しが尊い」「解釈一致」「激しく同意」などオタク定番フレーズが収録され、そのわかり味が深すぎる内容に震えました……。

そんな本書が、今度は韓国語に対応! 『世界が広がる 推し活韓国語』(発行:Gakken)として2023年3月に発売されました。その内容は、単純に『推し活英語』のフレーズを韓国語に訳したというわけではなく、韓国エンタメファンに向けて一から作り変えられているんです。

今やK-POP消費国一位(※)となった日本。最近ではサバイバルオーディション番組『BOYS PLANET』(通称:ボイプラ)の日韓同時配信など、リアルタイムに推せる機会も増えてきました。引き続き人気の高い韓流ドラマやバラエティ番組なども配信で簡単に視聴できるようになり、韓国エンタメが好き! 韓国に推しがいる!というオタクも少なくないでしょう。(何を隠そうそれは私だ)
(※K-POP Radar調べ「2023ニューK-POPキーワード10」より)

しかしアルファベットや、中国語の繁体字・簡体字などと違い、ハングルを使う韓国語は初見では読みも意味も全く見当がつかない……という方も多いでしょう。(それも私だ)

韓国語学習の書籍は数多く出版されていますが、ここまで推し活に特化した、そして使える書籍はないと思います!
さっそくその中身を見ていきましょう。

「推し」や「沼落ち」「在宅オタク」……国は違えど概念は共通

『韓国エンタメ必修単語』の章から始まる本書。

「推し」が収録されているのはもちろん、「単推し」「箱推し」や「沼落ち」など馴染みのある単語が並びます。面白いのは「在宅オタク」(家で推し活をするオタク)といった言葉もあること。感覚というか概念は共通なんですね。

前作『推し活英語』にも、「オタク」は「otaku」として英語辞書に載るほどポピュラーな言葉だと紹介されていましたが、なんと韓国語でも「オタク」はそのまま「오덕후(略して덕후とも)」。もはやオタクは世界共通言語なのでは……。

さらに「カムバック」(アイドルが新曲を発表し、番組出演などの活動をすること)、
「チッケム」(アイドルのパフォーマンスを1台のカメラで追いかけて撮影した動画)、
「スミン」(ストリーミングでの音楽再生)など、韓国エンタメ沼ならではの単語だって網羅されています。

「推し」や「沼」などの概念が共通している一方で、こういったユニークな推し活文化もあるんですよね。

最近日本でもファンが推しの誕生日やデビューなどを祝う広告を出す『応援広告』や、カップホルダーイベントなどが浸透してきていますがこちらも元は韓国独自の文化。日本とはまた違った推し活文化を知ることができるのも本書の魅力です!

▲推しの愛嬌って진짜(マジで)心臓に悪いんですよね!……でもそこがイイ!

番組で使うテロップの収録も……使えすぎて영업(布教)したい!

「ᄏᄏᄏᄏ」
実は私が沼落ちして最初に覚えた韓国語フレーズはこれ。日本では「www」(草とか笑)にあたるような言葉なのですが、配信動画やバラエティ番組を観ていると、登場人物の表情に合わせてこういったテロップがついているのを見かけます。

本書にはそんなバラエティ番組で見かけるテロップも収録!
「 ドキドキ」「キラキラ」「うんうん」など、気持ちをテロップで表現するのも韓国のバラエティ番組の特徴なんだそう。

ここまででまだ第一章なのに……。オタクの求める単語が網羅されすぎていてその実用性の高さが侮れねぇ……。

これが欲しかったんです!!「推しが使うフレーズ」

そしてなんと言っても本書のイチオシポイントは「推しが使うフレーズ」が収録されていること!

推しに伝えたい!ももちろんなのですが、推しが言っていることを理解したい!が先。そう、コミュニケーションの始まりはまず理解することからなのよ……。

定番の挨拶や自己紹介からファンに愛を伝える、MCで盛り上げる、感謝を伝えるなど、こちらも実用的なシチュエーションが揃っています。

配信動画と本書を照らし合わせながら、私は「このフレーズも入ってる!」「なるほど、ここはこういう意味だったのか」と改めて推しへの理解度が深まってしまいました。あっ、沼がどんどん深くなってしまう……ヤベェやつだ……。

▲「たくさんの関心と愛をお願いします!」も挨拶の最後によく見るフレーズですよね!

推しに言いたい、交流に使える、運営とのやりとり……いたれりつくせりの構成は健在!

前作『推し活英語』でもあった、推しに言いたい、オタ友との交流に使える、運営とのやり取りなど、オタクあるあるシチュエーションを網羅した実用性の高い構成は健在。

▲「花道」の使い方も韓国エンタメ沼独特な気が。ご飯食べてね、なんかも韓国独特の挨拶ですよね。

▲『推し活英語』でめちゃくちゃお世話になったファンレターの書き方も掲載されています!

面白いのは、『オタ友との交流に使えるフレーズ』の章に掲載されている「CD飲み込んだかと思った」というフレーズ。

ライブなどで素晴らしい歌声を浴びたときに「マジ口からCD音源だった」などと日本では使いますが、これを韓国のファンは「CDを飲み込んだ」と表現するんだそう。

「推し」や「沼」もそうですが、やはり考えることや概念は共通なんですね!

▲本書の実用性の高さに語彙力失っちゃいますわ……

読むだけじゃない、発音だって練習できる音声ダウンロードつき!

そして本書には、発音の練習ができる音声ダウンロードつき!

ネイティブのナレーターによる韓国語音声の他、日本語音声の一部は、グローバルボーイズグループINI(アイエヌアイ)のメンバー、韓国語勉強中の許豊凡(シュウフェンファン)さん田島将吾(たじましょうご)さんが担当しています。

読んで知識を得ることはもちろん、発音も練習して、ぜひ実践してみてください。

▲許豊凡(シュウフェンファン)さんと田島将吾(たじましょうご)さん

巻末には、本書の監修を担当したオタク女子ユニット・劇団雌猫さんと韓国エンタメオタクによる座談会や、アンケートで募集した推し活エピソードを収録。さらに韓国語の基本も掲載されており、韓国エンタメの入門書としても最適です。

オフラインコンサートやイベントなどの開催も増え、韓国への行き来もできるようになった今だからこそ、推し活を絶賛サポートしてくれる本書の必要性が感じられると思います。
4月を迎え、これから新しい生活が始まる方も多いことでしょう。

新生活、そして新しい推し活を本書とともに始めてみませんか?

『世界が広がる 推し活韓国語』商品概要

『世界が広がる 推し活韓国語』

定価:1,650円(税込)
発売日:2023年3月16日(木)
判型:四六判/200ページ
電子版:あり
ISBN:9784053056429
発行所:株式会社 Gakken
学研出版サイト:https://hon.gakken.jp/book/1130564200

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