2023年3月の全国企業倒産809件

倒産

3月の全国倒産 3年8カ月ぶりの800件台、12カ月連続で前年同月を上回る

 2023年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が809件(前年同月比36.4%増)、負債総額は1,474億3,400万円(同13.1%減)だった。
 件数は、前年4月から12カ月連続で前年同月を上回り、2019年7月(802件)以来、3年8カ月ぶりに800件を超えた。また、増加率は前年12月(20.2%増)から20%増以上が続いていたが、3月は36.4%増とさらに増勢を強めた。
 負債総額は、2カ月ぶりに前年同月を下回った。負債5億円以上10億円未満が24件(同18件)、同1億円以上5億円未満が160件(同109件)と中堅規模に広がってきたが、同100億円以上が1件(前年同月3件)にとどまった。
 3月の「新型コロナウイルス」関連倒産は、318件(前年同月比53.6%増)で、集計開始した2020年2月以降、初めて300件を超えた。累計は5,550件に達した。

企業倒産月次推移
  • 「後継者難」31件(前年同月50件)、「人件費高騰」5件、「従業員退職」4件、「求人難」2件
  • 形態別件数:破産が741件。法的倒産の構成比は96.2%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが31都道府県、減少13府県、同数3県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比74.6%、100億円以上が2カ月連続で発生
  • 業種別件数:アパレル関連、飲食料品製造、道路貨物運送業などが増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が86.4%、300人以上は3カ月ぶりに発生
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は99.8%

産業別 10産業のうち、卸売業を除く9産業で前年同月を上回る

 2023年3月の産業別件数は、卸売業を除く9産業で前年同月を上回った。
 最多はサービス業他の282件(前年同月比53.2%増)で、7カ月連続で前年同月を上回り、2022年9月以来、6カ月ぶりに200件を超えた。月次倒産に占める構成比は34.8%(前年同月31.0%)だった。
 このほか、運輸業31件(前年同月比19.2%増)と情報通信業32件(同33.3%増)が6カ月連続、不動産業が28件(同75.0%増)で5カ月連続、建設業が151件(同21.7%増)で3カ月連続、金融・保険業が5件(前年同月ゼロ)で2カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。
 また、農・林・漁・鉱業11件(前年同月比57.1%増)と小売業85件(同39.3%増)が、それぞれ2カ月ぶりに前年同月を上回った。
 一方、卸売業は84件(同7.6%減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。

産業別倒産状況
主要産業倒産件数推移

地区別 倒産件数、東北と四国を除く7地区で前年同月を上回る

 2023年3月の地区別件数は、東北と四国を除く7地区で前年同月を上回った。
 関東307件(前年同月比68.6%増)が、11カ月連続で前年同月を上回った。このほか、九州61件(同1.6%増)が9カ月連続、北海道33件(同22.2%増)と中部118件(同76.1%増)、近畿188件(同15.3%増)が4カ月連続、中国40件(同48.1%増)が3カ月連続、北陸16件(同14.2%増)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、東北37件(同13.9%減)が2カ月ぶり、四国9件(同10.0%減)が2カ月連続で、それぞれ前年同月を下回った。

都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

(株)JOLED/東京都/有機ELディスプレイパネル製造開発ほか/337億4,100万円/民事再生法 ヒカリレンタ(株)/東京都/LED照明販売ほか/61億5,600万円/破産 ヒカリレンタ首都圏(株)/東京都/LED照明管理・メンテナンス/55億円/破産 (株)TRAIL/神奈川県/一般貨物自動車運送業/39億4,400万円/破産 アッシュ・ペー・フランス(株)/東京都/服飾雑貨販売ほか/29億円/会社更生法

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