気象庁は10日(月)、エルニーニョ監視速報を発表した。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態になっている。今後、夏にかけて平常の状態が続く可能性もある(40%)が、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)。
3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.4℃で、基準値に近い値だった。海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示している。
実況で太平洋赤道域の中部にみられる海洋表層の暖水が今後東進し、東部の海面水温を上昇させるとみられるが、その程度には不確実性がある。大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が上昇し、夏には基準値より高い値で推移する可能性が高いと予測している。以上のことから、今後、夏にかけて平常の状態が続く可能性もある(40 %)が、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高い(60 %)。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。