サッカーとはドラマティックなスポーツだ。
そのドラマ性ゆえに見る者は魂を揺さぶられるような場面に遭遇することがあり、それはさながら“1枚の絵”のよう見えることも。
ここでは、そんな劇的瞬間の名場面とそこに存在したユニフォームをご紹介しよう。
スペイン
スペイン代表 2010 adidas サード
試合:2010年南アフリカW杯 決勝 オランダ対スペイン
アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)のゴールが決勝点となり、スペインが悲願のW杯初優勝を成し遂げた。その試合で着ていたのはネイビーのサードユニフォーム。ゴール後に亡き友ダニエル・ハルケに捧げたメッセージにも泣けた。
なでしこジャパン
日本女子代表 2010 adidas ホーム
試合:2011年女子W杯 決勝 日本対アメリカ
男女を通じて初めてFIFAワールドカップを優勝したアジアのチーム、なでしこジャパン。日本サッカー史上に燦然と輝く偉大なチームが着ていたのは、差し色にピンクを配したユニフォームだった。試合はPK戦の末の勝利だったが、澤穂希が117分に決めた劇的同点弾の興奮も記憶に残る一着だ。
イングランド
イングランド代表 2002 Umbro アウェイ
試合:2002年日韓W杯 グループステージ アルゼンチン対イングランド
1998年フランスW杯のアルゼンチン戦でディエゴ・シメオネに蹴りを入れ、愚かな退場処分となったデヴィッド・ベッカム。チームは敗れ英国メディアから「10人のライオンと1人の愚かな若者」と批判された。
それから4年後の日韓W杯でのアルゼンチン戦。一回り成長した“キャプテン”ベッカムは44分に得たPKを迷うそぶりもなく叩き込み、見事にチームを勝利に導いた。この赤いアウェイユニフォームにはベッカムの雄叫びが重なる。
マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 2011-12 Umbro ホーム
試合:2011-12 プレミアリーグ 最終節 マンチェスター・シティ対QPR
クイーンズ・パーク・レンジャーズをホームに迎えた2011-12シーズンのプレミアリーグ最終節。同点で迎えたアディショナルタイムの93分にセルヒオ・アグエロの決めたゴールが決勝点となり、チームは3-2で勝利した。
この美しきスカイブルーのキットを着たシティはプレミアリーグを初制覇。そして実に44年ぶりとなる1部リーグ優勝を成し遂げている。
レスター
レスター・シティ 2015-16 Puma ホーム
試合:2015-16 プレミアリーグ 第30節 レスター対ニューカッスル
岡崎慎司が歴史に残るゴールを決めた15-16シーズン。ホームでのニューカッスル戦で、ジェイミー・ヴァーディーの折り返しに反応した岡崎の見事なバイシクルシュートがネットを揺らす。
これが決勝点となり試合は1-0で勝利し、“奇跡の優勝”へ一歩前進となった。ダークブルーのユニフォームは、チームの優勝はもちろんだが岡崎のスーパーゴールの記憶も宿る。
レアル・マドリー
レアル・マドリー 2001-02 adidas CLホーム
試合:2001-02 チャンピオンズリーグ 決勝 レヴァークーゼン対レアル・マドリー
2002年5月15日にハムデン・パークで行われたCL決勝戦。この試合でジネディーヌ・ジダンは美技な芸術的ボレーシュート叩き込む。試合は0-1で勝利し、レアルが2年ぶり9回目の優勝を成し遂げた。
CL史上に輝く名ゴールを決めたその試合でのユニフォームは100周年記念モデルで、左袖には記念バッジを装着。シンプルなデザインも素晴らしい。
イタリア
イタリア代表 1992 Diadora ホーム
試合:1994年アメリカW杯 決勝 ブラジル対イタリア
ブラジル代表との94年W杯決勝戦は120分間をスコアレスで終えてPK戦に突入。そして5番手のキッカーとして登場したロベルト・バッジョの蹴ったボールがクロスバーの上を越えた瞬間、ブラジルの優勝が決まった。
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PK直後のバッジョのうなだれる姿は、サッカー史上で最も悲哀という言葉が似合うワンシーン。それが悲しくもどこか美しいのは、主役が稀代のファンタジスタとDiadoraが残したイタリア屈指の名作ユニフォームだからかもしれない。
現在ではレアな新品ユニフォームが揃う「Qoly × LFB Vintage」。“当時の景色”が見えてくる懐かしいユニの数々は、眺めるだけでも楽しいはず!