「日高屋」社長もビックリ「私ももらえるとは」 82歳会長が約4億3000万円相当の株を従業員に分配

中華料理チェーン「熱烈中華食堂 日高屋」(日高屋)を展開するハイデイ日高の青野敬成社長(49)が10日、都内の店舗で創業50周年記念メニュー「復刻 担担麺」の発表会に登場。同社の神田正会長(82)が、自身の自社保有株20万株(時価総額4億3000万円相当)を社員に無償で譲渡することに「私もいただけるというのでびっくりした。社長になってもらえるとは思わなかった」と、驚きの声を上げた。

神田氏は従業員への感謝の思いを込め、2023年6月に社員とパート・アルバイト約1100名に、100~400株ずつ贈与する予定。青野氏には400株が譲渡される。東証プライムに上場するハイデイ日高の10日終値は2169円。約87万円分の株式を手に入れることになる。「パートさんからも『私たちにももらえるんだ』という声が上がった。従業員を大事にしているという会長の思いを伝えていきたい」と話した。

日高屋の直営店舗は399店舗。店長を集めた会で神田氏は「株を売ってもいい。制限はかけない」とメッセージを送ったという。青野氏は「ふつう1年くらいは売るなと言うものですが…会長の人柄が出ている」と振り返った。

同社は1万3000~5000円のベアを実施。新入社員の初任給を1万5000円引き上げ、25万円にすると、人事部にかなりの反響があったという。「当社が従業員を大事にしているということをより多くの人に知ってもらいたい。人手不足で、以前までの営業時間になっていない店舗もある。従業員を確保して、コロナ前の営業時間に近づけたい」と意気込んだ。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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