大人の発達障害、理解を パートナー向けに講演会

 大人の発達障害について理解を深め、関わり方を学ぶ講演会が1日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれた。ハートクリニック横浜(横浜市西区)の柏淳院長(精神科)が「自閉症、アスペルガー障害などの発達障害の人は感覚、認知の違いから別の世界を見ている。パートナーは“翻訳者”になることで新たな関係を築ける」と指摘した。

 講演会は、発達障害の配偶者を持つ女性の自助グループ「フルリールかながわ」(神奈川区、真行結子代表、会員300人)が主催。当事者や家族ら約200人が参加した。

 柏院長は「解決の第一歩は本人が自分の特性に気付くこと。本人が気付いていない場合、家族は本人が困っていそうなことを探し、どう違うのか理解させる(翻訳する)役割を担う。特性の長所を生かしつつ、短所を目立たせない生き方を一緒に考えてほしい」と助言した。

 また、発達障害のパートナーと情緒的な関係を築けず、不安、抑うつ、虐待、ネグレクトなど身体的、精神的症状が生じる「カサンドラ症候群」について「一人で悩まないでほしい。精神科を受診することも必要。フルリールなど自助グループも活用してほしい」と訴えた。

 フルリールかながわへの問い合わせは電話070(5584)9666。

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