4年ぶり春告げる 天津神社春大祭「糸魚川けんか祭り」 規模縮小も活気

 糸魚川市一の宮1の天津神社の春大祭「糸魚川けんか祭り」が10日、同神社で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりの実施。感染防止の観点から規模を縮小して行ったが、祭りを待ちわびた来場者らによって境内は活気にあふれた。
 豊漁や豊作を願って約500年前から続く伝統の祭りで、押上、寺町両区の男衆がみこしを激しくぶつけ合う「けんかみこし」は大きな関心を呼ぶ。

ぶつかり合いは行わなかったものの、2基のみこしを近づける場面で場内の興奮は最高潮に

 今年は会期を1日のみとし、みこしのぶつかり合いは行わずに境内を巡行。国の重要無形民俗文化財に指定されている舞楽の奉納は、本来の半分程度の演目数にとどめた。
 当日は晴天に恵まれ、絶好の祭り日和。桟敷席でくつろいだり、境内に立ち並ぶ露店で楽しんだりする家族連れや友人グループなどでにぎわった。
 みこしの巡行では、押上、寺町両区の男衆がそれぞれみこしを担ぎながら威勢よく境内を回り、カメラを構えてシャッターを切る観覧者が目立った。ぶつかり合いとまではいかないものの、2基のみこしを近づける場面があり、場内の興奮は最高潮に達していた。

舞楽奉納は本来の半分程度の演目数で行った

 かつては男衆の一員として祭りに参加していたという市内の男性(86)は「やっぱりこの祭りがないと、糸魚川に春が来ない」と4年ぶりの実施を喜びながら、「次はぜひ、みこしの押し合いが見たい」と話した。

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