最高の振り飛車と居飛車の戦いに 菅井八段 藤井叡王への挑戦に意欲

5番勝負に向けて、それぞれ抱負を語る菅井八段(左)と藤井叡王

 将棋の菅井竜也八段(30)=岡山市=が藤井聡太叡王(20)=竜王、王位、棋王、王将、棋聖との六冠=に挑む第8期叡王戦5番勝負が、11日開幕する。10日は第1局の舞台となる東京・神田明神で両者が記者会見し、決戦へ向けての意気込みを語った。

 今5番勝負は振り飛車党の“エース”菅井八段と、居飛車党で「現役最強」の呼び声も高い藤井叡王がぶつかる、将棋ファン注目のシリーズ。七冠を懸けた名人戦7番勝負と同時並行で戦う藤井叡王が、独創的な棋風の菅井八段をどう迎え撃つのかも見どころだ。

 菅井八段にとっては、初防衛に失敗した2018年の王位戦以来、5年ぶり3回目のタイトル戦。「最強の棋士を相手にこの数年間の悔しさをぶつける。最高の振り飛車と最高の居飛車の戦いにしたい」と力を込めた。

 一方、タイトル戦で振り飛車党との対戦が初めてとなる藤井叡王は「振り飛車への苦手意識はないが、菅井八段は鋭い攻めと力強い受けを兼ね備えた棋士。時間配分も含めてしっかり対応したい」と警戒した。

 菅井八段は今期叡王戦で段位別予選、本戦トーナメントを勝ち上がり、3月の挑戦者決定戦で永瀬拓矢王座(30)を下して挑戦者となった。叡王戦5番勝負は1日制で、持ち時間各4時間。先に3勝を挙げた棋士がタイトルを獲得する。

対局場を検分する菅井八段(左)=日本将棋連盟提供

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