町田ゼルビアがJ2首位!名将・黒田剛監督が育て上げた「最強青森山田」の5選手

J2第8節終了時点で首位を走るFC町田ゼルビアは第2節から第7節まで6連勝と同リーグでセンセーションを巻き起こしている。

今季チームの指揮官に黒田剛監督が就任。黒田監督は28年間に渡って青森山田高校を指導し、高校選手権3回、全国高校総体2回、高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグ2回を制覇するなど高校サッカー界で栄華を築いた。

そして彼の教え子たちも国内外で存在感を見せている。今回は町田の躍進を先導する黒田監督が育て上げた5選手をピックアップした。

神谷優太

所属:清水エスパルス(J2)

異色のJユースから高体連に電撃移籍した神谷。ジュニアから入団した東京ヴェルディユースから2014年夏に青森山田高へ編入した。高校3年次に全国高校選手権準決勝で敗退するもチャンスメイカーとして存在感を発揮。卒業後はJ1湘南ベルマーレに加入した。

U-16からU-22まで世代別代表に選出されたほどのポテンシャルを秘めており、卓越したドリブル技術と相手の虚を突いた浮き球パスは攻撃のアクセントとなっている。

愛媛FC時代に知り合った元南海放送アナウンサー西木恵美里さんと2019年に入籍。恵美里さんとのInstagramでは時折仲睦まじい写真を見られることも。

今季は清水エスパルスでJ1復帰のために奮闘しており、新しく就任した秋葉忠宏監督の下で出場機会をつかんでほしい。

室屋成

所属:ハノーファー(ドイツ2部)

大阪出身の室屋はゼッセル熊取FCで南野拓実とともにプレーし、中学3年次に黒田監督の勧誘を受けて青森山田高に進学した。2年次から現在のメインポジションであるサイドバックにコンバートされ、2012年度の全国高校選手権で優秀選手に選出された。

清水エスパルスからオファーを受けていたが、憧れの長友が在籍していた名門・明治大へと進学した。大学でも圧倒的なパフォーマンスを見せて、2015年にFC東京に特別指定選手として登録。翌年に大学サッカー部を退部し、正式にFC東京へ入団した。その後は日本代表に選出され、2020年にドイツ2部のハノーファーへ移籍した。

メインポジションは右サイドバックだが、左サイドバックもプレーできる柔軟さを持ち合わせている。相手を引き付けるデコイランや、様々な球種の高精度フィードで局面を問わずチャンスを演出できる。欧州で活躍する攻撃的サイドバックの代表帰還に期待したい。

嵯峨理久

所属:いわきFC(J2)

青森山田が誇るランニングモンスターは、青森山田で黒子役に徹して高円宮杯、選手権の2冠獲得に大きく貢献した。高校卒業後は東北の雄・仙台大へ進学し、1年次から主戦力として躍動した。だが大学4年次に世界的な新型コロナ感染拡大の影響でJリーグクラブ入団は叶わなかった。

大学卒業後は近年フィジカルトレーニングなどで脚光を浴びているいわきFCに入団した。入団初年度から右サイドバックを中心にプレーし、J3参入の原動力となった。翌年もJ3制覇に大きく貢献し、J2昇格を勝ち取った。個人としてはJFL新人王、J3ベストイレブンに選出されている。

Qolyでは大学時代にインタビュー記事を掲載。

左右のキック精度が高く、試合終盤まで連続してプレーできる驚異的な体力を持っている。青森山田OBで近年数多くのチームから注目を浴びている嵯峨。アマチュアリーグから駆け上がるライジングスターの動向から目が離せない。

柴崎岳

所属:レガネス(スペイン2部)

青森山田史上最高傑作と名高いゲームメーカー。当時小学生だった柴崎に一目ぼれした黒田監督が、青森山田中入学に熱烈なアプローチをかけたエピソードは有名だ。中学時代から幅広い視野と繊細なタッチで違いを作り出し、高校時代は同世代最高峰の司令塔として名をはせた。

鹿島アントラーズでは2012年にJリーグカップMVP、ベストヤングプレーヤー賞に輝いた。2016年にJ1優勝を果たし、同年開催されたクラブワールドカップ決勝ではレアル・マドリーに2得点を挙げる活躍を披露。Jリーグクラブ初となる同大会準優勝へと導いた。鹿島退団後はスペインに活躍の場を移し、テネリフェ、ヘタフェなどで活躍した。

日本代表でも司令塔として君臨。通算60試合出場し、ワールドカップでは2018年ロシア大会、2022年カタール大会のメンバーに選出された。特に2018年大会では4試合全てに先発出場し、ベスト16入りに貢献した。

松木玖生

所属:FC東京(J1)

北海道室蘭市出身の松木は小学校卒業後、越境で青森山田中へ進学。中学3年次からトップチームに参加し始め、高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグEAST最終節の市立船橋高戦でプレーするなど才能の片りんを見せた。

高校進学時は1年次から主力としてプレーし、3年間で高円宮杯、インターハイ1、選手権の高校タイトルを総なめにした。

一部報道ではフランス1部ストラスブールへの移籍が取り沙汰されたこともあったが、高校卒業後は複数クラブとの争奪戦を制したFC東京に入団。高体連出身選手としてクラブ史上初となる開幕戦先発デビューを果たした。

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今年開催されたAFC U-20アジアカップに出場して3位入りに貢献し、FIFA U-20ワールドカップの出場権を獲得している。近い将来、外国籍選手に当たり負けしない強じんな肉体を持つレフティーのA代表入りが期待される。

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