トルコ料理に思い乗せ…坂戸で「支援かふぇ」 遠い祖国「何か力に」留学生らも参加 今後も開催へ

来客にトルコの菓子などを勧めるヤシャム・ゾールオールさん(中央)と高橋奈穂さん(右)=9日、坂戸市石井

 埼玉県坂戸市内で多文化・多世代交流に取り組んでいる一般社団法人「レク寺子屋」は、2月6日に起きたトルコ・シリア大地震で甚大な被害を受けた被災地の救援や復興を支えようと、法人が運営する同市石井のカフェで9日、「トルコ支援かふぇ」を初めて開催した。活動にはトルコ人留学生も参加。発生から2カ月が経過した現在も苦境に置かれている現地の人々へ、継続的な援助を呼びかけた。

 イベントは代表理事の高橋奈穂さん(47)が企画。法人ボランティアスタッフの紹介で、川越市にキャンパスがある東京国際大学1年生のヤシャム・ゾールオールさん(18)が会場を訪れ、カフェの来客らに協力を求めた。

 ゾールオールさんは、駐日トルコ大使館に勤務する父親の赴任に伴い、3年前に来日した。自宅がある首都アンカラは被害を免れたが、シリア国境に近いガジアンテプに住む父方の親戚2人が犠牲になったという。ゾールオールさんは「トルコにいれば車ですぐ助けに行けるけれど、日本に住んでいるので不可能。何かサポートできないかと考えていたので、活動の力になりたいと思った」と話す。

 高橋さんは震災の発生直後から、トルコ大使館に問い合わせるなどして、支援策を模索していた。イベントでは、狭山市内のトルコ食材店で仕入れた材料を使い、トルコ料理のケバブランチセットを用意。現地の雑貨や菓子などの販売も行い、募金箱を設置した。写真共有アプリ「インスタグラム」でイベント実施を知って来場した市内の大学1年生細井駿音(はやと)さん(18)は、「日本も地震が多い国なので、人ごととは思えなかった。少しでも早く復興してほしい」と願う。

 収益や寄せられた募金は、トルコ大使館に届けられる。高橋さんは「国内で暮らすトルコの人たちと一緒に月1回を目標に開き、息長く支えていければ」と誓った。

提供されたケバブランチセット

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