5千円割引のキャンペーン反響 藤沢、大船地区のホテル団体「ようやく光」

ポストコロナの宿泊業界について語る庄司会長=藤沢市

 新型コロナウイルス感染拡大によって大きなダメージを受けた宿泊業界。5月8日には新型コロナが「5類」に引き下げられるなどポストコロナへの歩みが進む中、藤沢市と鎌倉市大船地区のビジネスホテル17社でつくる任意団体「湘南十日会」の庄司圭一郎会長(湘南台第一ホテル藤沢横浜支配人)に業界の展望を聞いた。

 ―足元の景況は。

 「土砂降りから抜け出て、曇りのち晴れ、ようやく光が見えてきた。湘南十日会に加盟するホテルの稼働率をみると、昨年の秋口は新型コロナ禍前の2019年の8割程度戻ってきた。さらに年明けからは感染者が減少するなど観光も動きが出てきた。1~3月は19年並みまで回復した。併せて、宿泊特化のホテルに関しては単価もだいぶ戻ってきている」

 ―宿泊施設の利用者に対し1泊の料金から5千円を割り引く藤沢市のキャンペーンが大きな反響を呼んだ。

 「当館の場合、一つのサイトが受け付けを始めると、瞬時に300件近くの予約が入った。全国旅行支援と同時期、宿泊需要が上向くタイミングで実施され、需要回復の起爆剤になった。新型コロナ禍の3年間、ひどい時には稼働率が4割を切ったこともあったが、こうした下支えを受けながら、失われた部分を徐々に取り戻していきたい」

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