5歳の美咲ちゃんの絵 ニューヨークへ ポストカードとして展示

たてがみをレインボーカラーにしたスケッチブックのアサヒを手に笑顔を見せる美咲ちゃん=佐世保市内

 長崎県佐世保市船越町の九十九島動植物園(森きらら)で1月に相次いで死んだライオンのアサヒとチーターのキリ。市内の幼稚園に通う甲斐美咲ちゃん(5)は元気な2頭の姿を思い出の絵にした。その作品がポストカードとして米ニューヨークのカフェに展示されることになった。「虹の橋を渡ったんだね。途中でアメリカに寄り道してもいいよね」と思いを語る。
 母親の佑子さん(36)によると、美咲ちゃんはお気に入りだったアサヒ、キリの死を新聞で知り、悲しみながらスケッチブックを手にしたという。
 鉛筆のデッサンから水彩絵の具で一気に色付け。「虹の橋はおしゃれをして渡ったほうがいいよね」。大胆な構図のアサヒのたてがみ、キリの下まつげにレインボーカラーをメーキャップした。
 “みさき画伯”の始まりは昨年7月。ふと「絵の具で絵を描きたい」と言い出し、描き始めた。生産者市場の野菜など、興味を持つ題材だけに創作意欲が湧くという。陰影も表現するなど観察力が生かされている。
 1月、市内の画材店「アートスクエアリブ」で「小さなアーティストみさき画伯の絵画発表会」を開催。来場者に好評で、期間が延長される人気ぶりとなった。同店代表の中村豊文さん(62)は「5歳だが、年齢に関係のない力がある」と非凡さを評価する。
 「世界中のみんなに見てもらいたい」という夢を家族で後押しし、米国での展示に挑戦。日本の作家の海外活動をサポートする「コロンブス事務局」(福岡市)が、4月13~30日に開催する「コロンブスの原画&ポストカード展 in NY」にアサヒ、キリのポストカードを展示、販売することになった。
 美咲ちゃんは「アサヒ、キリもうれしいと思う」と笑み。佑子さんは「彼女の夢、可能性を全力でサポートしたい」と話している。

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