茨城大付属小・いじめ報告遅れ 茨城県知事「あり得ない対応」 大学側、県教委に説明

会見する大井川和彦知事=茨城県庁

茨城大付属小(水戸市三の丸)がいじめの「重大事態」に関する文部科学省への報告を長期間行っていなかった問題で、茨城県の大井川和彦知事は12日、定例記者会見で「世の中の流れからかけ離れた、あり得ない対応」と批判した。同大の太田寛行学長は同日、県庁を訪れ、県教委の森作宜民教育長に現状を説明した。

大井川知事は会見で「(同小の)副校長以下の教員は、県で採用した教職員。県としても看過するわけにはいかない」とも述べ、学校側の対応について詳しい経緯を調べる考えを示した。

太田学長を含む同大関係者ら4人は同日、森作教育長に対し、永岡桂子文科相から10日に受けた口頭指導について報告した。内容は、第三者委員会を速やかに設置して再発防止に努めることや被害児童や保護者に寄り添い、必要な学習支援をすることなど。森作教育長には、学習支援について助言や協力を要請した。

面会後、太田学長は報道各社の取材に「いじめを受けた児童や保護者に対して非常に申し訳なかった」と謝罪。「児童の心のケアや学習支援などに努めたい」と述べた。また、第三者委員会で、いじめの詳細や学校の対応を調査する方針も明らかにした。森作教育長は「今回の事案は非常に残念。大学の要請を受け、学習支援をサポートしていきたい」と話した。

報道陣の取材に対応する茨城大の太田寛行学長=県庁

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