バーベキュー「火おこしのコツは?」「準備と片付けを簡単にする秘訣は?」専門家に聞いてみた【みんなのハテナ】

Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回は「バーベキュー」に関するハテナです。だんだんと暖かくなり、アウトドアを楽しもうと考えている方もいるのではないでしょうか? そんなアウトドアの楽しみの一つ、バーベキューに関する疑問が……。

「炭に火をおこすのが大変……簡単に火をおこすやり方はありますか?」(高松市 satomi 47歳)

日本バーベキュー協会/下城民夫 会長 2020年

バーベキューに関する検定も行っている日本バーベキュー協会の下城民夫会長に聞いてみました。

(日本バーベキュー協会/下城民夫 会長)
「もうこれはずーっと日本人の課題ですよね、炭おこしがなかなかできないっていうので。実は簡単なことなんです。ほとんどの方が失敗する理由っていうのは明確で、使っている炭のサイズが大きすぎることです」

提供:日本バーベキュー協会

下城さんによると、大きい炭は火の回りが遅くなります。そのため、火の回りが早い小さい炭を使うことが火おこしの失敗を防ぎ時間を短くするコツになります。

また、炭を小さくすることで、炭の移動が楽になり追加の炭も入れやすいため、一定の火力を保つことにもつながります。

「握りこぶしあるじゃないですか、理想はこれの半分。握りこぶしが最大サイズだと思ってください」

そして火おこしのもう一つのコツが……。

「着火剤とか焚きつけ使いますよね。必ず一番下です」

下城さん直伝の火おこし方法がこちら。

大切なのは『炭の下』に着火剤を置くことです。より早く火を付けたければ、着火剤の上に軽くつぶした新聞紙などを置きます。そして、周りを囲うように小さい炭をタワー状に上に積み上げていきます。

こうすることで空気が入りやすくなるため、着火剤に火を付けたときに積み上げた炭の中で上昇気流が起こり、火が行き渡りやすくなります。

そして、一番上に置いた炭が白っぽくなった時に全体を崩す。これが下城さんおススメの火おこし法です。

「着火剤とか新聞紙で炭の底に火が付くと、勝手にそれが自然の力で上に上がってくるんですよ。場合によっては、僕らはうちわなんか使わないですよ。勝手に付いていきますから。その間にほかの準備されてたりとかちょっと一杯飲んでたりとか」

「準備から片付けまで大変で苦手……苦手意識をなくすには?」(岡山市 わがまま天使 59歳)

(日本バーベキュー協会/下城民夫 会長)
「どうしてもバーベキューっていうのはなんとなくイメージとして、全ての準備を現地でするってイメージがあるでしょう。楽しい行為ではあるんですよ、みんなで手分けしてやろうぜってなるんですけど、結構道具も必要になるし、面倒なことでもあるんですよ。それともう一つ大きな問題があって、ごみを作り出してしまうんです」

下城さんによると、バーベキューに行く前の「下準備」が、現地での準備や片付けを簡単にする秘訣だということです。

事前にできる準備として下城さんがあげたのが……。

持っていく道具を少なくするために調理が必要な野菜などは切っておく。もし調理をする場合にはキッチンバサミなど、できる限りかさばらないものを持っていくのがおススメです。

お肉は密閉できる袋に移し替えることでかさばらず、ごみを減らすことにもつながります。

また、割りばしや紙皿などは使わず、事前にマイ箸やマイ皿を持っていくことも有効です。

これはごみの削減だけでなく、バーベキューでよくある誰が使ったものかわからない……という状況を防ぐこともできます。

「ごみは非常に大きい問題になっています。現地では、ある意味焼くだけでいい状態で。ごみを"捨てない”バーベキューではなく、ごみをできるだけ"持っていかない”バーベキューっていうのが、これからのバーベキューなので、できるだけ準備はお家でと言っています」

また、バーベキューの最後におすすめの「炭の活用法」があるそうで……。

「炭をまた山型に戻すんですよ。そうすると、また少しの炭で火力が上がる。火力が上がるってことは、どんどん炭がなくなっていくスピードが早くなっていく。シメじゃないけど、お腹が空いてる人も少し焼いて食べられる物もでてくるし、そこで火を囲むようにして寄り添ってくるので、気持ち的にも落ち着く。精神的に落ち着くような終わり方をするっていうことです」

一方、炭の片付けには注意が必要です。

炭は炭素でできているため自然にはかえりません。そのため、その場に放置したり、川や海に捨てたり埋めたりすることは、絶対にしてはいけません。

使った炭は水を張った金属製のバケツなどに1つずつ入れていきます。炭を一気に水の中に入れてしまうと、水蒸気爆発をおこす原因となり非常に危険です。

完全に火が消えたら水の中から取り出し、自治体の処理方法にしたがって捨ててください。

© 株式会社瀬戸内海放送