水産加工業者、瀬戸際に 記録的不漁、久慈の組合が事業停止

事業停止した久慈市冷凍水産加工業協同組合=11日、同市長内町

 記録的不漁にあえぐ本県の水産加工業者が、瀬戸際に立たされている。イカなどの食品加工を手がける久慈市長内町の市冷凍水産加工業協同組合(出資金7294万円、三浦勝年組合長)が事業を停止した。東京商工リサーチ、帝国データバンクの各八戸支店によると東日本大震災で被災後、漁獲量減で苦戦を強いられ、燃料費の高騰も重なって踏ん張りきれなかった。浜の現状は厳しく、歯を食いしばりながら打開策を探っている。

 11日、同市長内町の組合。事業停止した工場に人の出入りは少なく、静まり返っていた。

 組合は1976年に種市町(現洋野町)と市の水産加工業者17社により設立。地元で水揚げされるイカ、サバ、イワシを主原料に加工を手がけてきた。「しめさば」「炙(あぶ)りしめさば」を看板商品とし、しめさばは同市のふるさと納税返礼品にも採用されたが、巻き返しはならなかった。

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