酪農危機 応援広がる 消費者発、イベント・サイトで情報共有

イベントに設置したボードには、消費者からの応援メッセージが寄せられた(12日、東京都新宿区で)

経営環境の悪化で離農が相次ぐ酪農の危機を救おうと“消費者発”の応援の動きが広がっている。生協や産直サイトが呼びかけを強め、応援基金の創設や、乳製品の販促といった活動で酪農家を支える。12日には、酪農家と消費者が一堂に会する応援イベントが東京都内で開かれ、生産現場の危機感を共有した。

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ生協)は4月から、牛乳の売り上げの一部を酪農家の生産費の補填(ほてん)に充てる「牛乳応援基金」の取り組みを始動させた。

同日、オンライン参加を含めて約400人の消費者や酪農家らが集まり、「酪農応援!生活クラブ牛乳フォーラム」を都内で開いた。

組合員の萩原つなよさんは「酪農危機は酪農だけの問題ではなく、地域や食卓にもつながる問題だ。自分事として捉えてもらい、飲んで応援していく仲間を増やすことが重要である」と提起した。フォーラムでは、これまでに集まった支援金を、酪農家に直接手渡した。

利用者数が拡大する産直サイトでも、応援の動きが活発になってきた。

食べチョクでは、「酪農家支援プログラム」を3月末から展開している。対象商品の購入1点につき、100円の寄付や、乳製品の特集ページの新設で応援の輪を広げている。

ポケットマルシェでも17日まで、乳製品の売り上げの一部を生産者支援金として積み立てるキャンペーンを企画する。

消費者の間で広がる酪農応援の動きについて、資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表は「国産を適正価格で買い支える消費者を増やすことは、安さを重視する消費を見直し、飼料などの海外依存からの転換を図っていく上でも不可欠だ」とみる。(斯波希)

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