端午の節句を前に 伝統の「武者のぼり」りりしく 佐世保・川口家染工場

戦国武将などが描かれた伝統の「武者のぼり」=佐世保市、川口家染工場

 端午の節句を前に、長崎県佐世保市相浦町の川口家染工場(川口直一郎社長)で、初節句を祝う「武者のぼり」の生産作業がシーズンに入った。
 創業121年の歴史を誇る同社の伝統の染め物。白い布に型紙と肌色ののりを使って絵柄の下絵を描き、はけで染色。乾燥後、のりを洗い流し、絵柄を浮かび上がらせる。天日干しなどを経て、武者の顔をりりしく描き完成となる。
 のぼりは最大で約7.5メートル。豊臣秀吉や川中島の戦いなど、代々受け継いできた約20種の絵柄がある。住宅事情や少子化などの影響で、注文は年々減少。4代目の川口社長は「お子さんの健やかな成長を願うもの。注文は少なくなったが、1本ずつ心を込めて作っている。伝統を守りたい」と話した。

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