檜原村 産廃焼却場の設置計画 申請取り下げ

檜原村の人里地区に建設が計画されていた産業廃棄物焼却場について、事業を計画していた産廃処理業者が設置許可の申請を取り下げていたことが分かりました。

檜原村の人里地区にあるこの場所は、産業廃棄物処理施設などを運営する武蔵村山市の会社が所有する土地で、ここに産業廃棄物の焼却施設を建設することが計画され、去年3月、東京都に設置許可が申請されていました。しかし、地元住民から反発の声が相次いだのです。その理由として上がったのが、焼却場を運用していくために冷却用の大量の水が必要なことや、環境への影響が懸念されることでした。建設反対の署名には現時点で村民1275人の名前が集まっていて、これは村内の有権者の75%を占めています。こうした中で、4月10日、産廃処理業者の会長と社長は、東京都の環境局に計画の取り下げ願いを提出し、都はこれを受理しました。取り下げの理由について社長は、「今年3月に現地で冷却水の調査を行ったところ、水が出ないので取り下げることにした」と話し、「反対運動は全く関係ない」としています。一方、突然の方針転換に反対運動を続けてきた住民団体の岩崎さんは、「村民の反対の声が申請を取り下げた大きな力になった」と話します。ただ一方で、反対運動はまだ終わりではないと言います。「完全撤退を勝ち取るまでは私たちは緩めない。反対運動を続けていくつもりでいます」と話しました。

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