新スイーツ「伝来物」誕生 老舗菓子2店舗が協力 長崎の歴史と文化を表現

抹茶のフィナンシェ「之」(左)と桃の形の口砂香「慶」(納富司デザイン事務所提供)

 長崎市内の老舗菓子店2店舗などが協力し、長崎の歴史と文化を表現した新しいスイーツ「伝来物」が誕生した。長崎の女性商人大浦慶の名を冠した「お慶さんの頂きものプロジェクト」(竹中晴美代表)として昨年クラウドファンディングで資金を募り、12日からオンラインで限定販売を始めた。
 江戸期に砂糖文化を広めた「シュガーロード」の歴史を伝えようと開発。和のスイーツ「慶」と洋のスイーツ「之(これ)」のセットで、パッケージデザインは納富司デザイン事務所(長崎市)が手がけ、大浦慶の家紋などをあしらった。
 幕末の茶貿易の先駆者、大浦慶の名前にちなんだ慶は和菓子店の岩永梅寿軒(同市)が、中国から伝わった伝統菓子「口砂香(こうさこう)」を中国の縁起物である桃の木型で作った。之は「まっすぐに歩みを進める」という意味で、和洋菓子店の梅月堂(同市)が制作。そのぎ茶を使った抹茶の濃厚な味と香りが楽しめるフィナンシェをカヌレの型で焼き上げた。

新スイーツ「伝来物」をPRする竹中晴美代表(左)と梅月堂の本田時夫社長=県庁

 竹中代表は、長崎で活躍した女性についてまち歩きをして学ぶ「長崎ウーマンズ・ウォークラリー」の実行委員長も務めている。コロナ禍で活動が思うようにできない中で、長崎への思いを何か形にしたいと思い、砂糖文化に目をつけた。
 12日に県庁で記者発表があり、竹中代表は「長崎のプライド、誇りというものを形にできた。地元の方にも味わっていただき、長崎の良さにもっと気付いてほしい」と話した。
 160セットで慶は25個入り、之は9個入り。6480円。オンラインで予約を受け付けている。

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