PHCの新会社「ウィーメックス株式会社」、社長に就任した大塚孝之氏が事業戦略説明

【2023.04.13配信】PHCホールディングスが今年4月に設立した新会社ウィーメックス株式会社は4月13日、都内で「事業戦略発表会」を開催した。新会社の社長に就任した大塚孝之氏が登壇。PHCグループが持つ強みを生かすことで、政府も進める医療DXを後押ししたい考えを示した。

「医療ビッグデータ分析」領域にもフォーカス、データプラットフォーム構築し新たな価値創造を推進

PHCホールディングス株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長CEO:宮﨑 正次氏)は、昨年、株式会社メディコム事業統合準備会社を設立し、PHC株式会社からメディコム事業部を新会社へ吸収分割、PHCメディコム株式会社の合併を行った。今年1月には同準備会社の社名を「ウィーメックス株式会社」とすると発表していた。
「ウィーメックス」は、PHCホールディングスが100%出資する事業子会社として、2023年4月1日より事業を開始した。

PHCグループのヘルスケアIT事業は、1972年に日本初となる医事コンピューターを発売して以来、医療機関・薬局などのIT化を牽引。医療従事者の業務の効率化、患者に提供する医療の質やサービスの向上、さらに新たな地域医療連携で必要となる病院・診療所・薬局・患者間の情報共有の実現など、ヘルスケア領域全般に参画してきた。
新会社「ウィーメックス」は、医事コンピューターおよび診療所向け電子カルテシステムでシェア1位の「Medicom」製品を引き続き販売していくほか、PHCグループが成長領域として掲げる「デジタルヘルスソリューション」を展開し、国内医療のさらなる効率化や健康経営事業の強化に取り組む。

事業戦略説明会に登壇した大塚孝之氏は、同社の強みについて、主に4つを掲げた。
1つ目は「シェアの高さ」。PHCグループは診療所向け電子カルテ・レセコンでトップシェアだ。
2つ目は「サポート体制」。同社は全国140箇所のサポート拠点を擁しているため、医療DXが必ずしも進んでいない医療業界に対して全国でのサポート体制は重要だと指摘した。
3つ目は「政策への迅速な対応力」。同社グループはこれまで50年以上、政策と緊密に連動しながら事業活動を行ってきた。
4つ目は「製品開発における先進性」。培ってきた開発力を生かすだけでなく、M&Aも通じ、先進的な取り組みを推進していくとした。

その上で、今後は従来の既存領域に加えて成長領域に注力していく考えを表明。

具体的には「健康経営」を掲げ、健康状態の可視化などの事業に投資していく方針を示した。
また、「クラウドサービス連携」事業では多様なサービスにおけるデータをAPIを通じて連携することで医療機関の利便性向上、さらにはその先にある生活者への貢献を高めたいとした。
「医師向けソリューション」事業も拡充。情報提供のほかBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などのソリューションを開発。人事業務などの負担軽減に貢献していくとした。
「医療ビッグデータ分析」領域にもフォーカスする。自社だけでなく他社を含めて医療に関わるデータを統合・分析することで新たな価値創造を推進するとした。

レセプトや電子版お薬手帳などを含めたデータプラットフォームを構築し、ヘルスケア業界の課題解決に貢献していくとした。

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