湯登神事で幕開け 世界遺産の熊野本宮大社「本宮祭」、和歌山

父親らに肩車をされて熊野本宮大社を出発する子どもら(13日、和歌山県田辺市本宮町で)

 和歌山県田辺市本宮町にある世界遺産・熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」は13日、県文化財の「湯登(ゆのぼり)神事」で幕開けした。

 新型コロナウイルスの影響で昨年までの3年間は規模を縮小していたが、今年は通常規模で開催する。

 湯登神事は、熊野の神が宿るとされる稚児が湯の峰温泉で身を清め、熊野古道「大日越」ルートを通るというもの。子どもの健やかな成長を願って営まれる。

 今年は2、3歳の男児と父親らの4組が参加した。稚児の体が地面につかないよう、父親や祖父が肩車をして大社を出発した。

 大阪府和泉市、看護師の中山仁翔さん(29)は、妻の美咲さん(29)が本宮町出身という縁から初めて参加。長男の哲翔君(2)を肩車して歩いた。

 例大祭は五穀豊穣(ほうじょう)を願う祭り。さまざまな場面で子どもが登場するのが特徴という。男女8人の小中学生が旧社地・大斎原(おおゆのはら)で舞を奉納するほか、渡御行列や、修験者による護摩たきなどもある。

■渡御祭、16日に延期

 熊野本宮大社は、15日午後に予定していた本宮祭の渡御祭を16日午前10時からに変更する。15日に降雨が予想されるため。護摩たきは16日午後3時ごろからの見込み。

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