RISEやK-1を筆頭に、安定した盛り上がりを見せている日本のキックボクシング界。そんな中で石川県にも将来を有望視されている格闘家たちがいます。彼らは日々何を考え、戦っているのか…。ていうか一体に何を食べたらそんなに強くなるの？というわけで今回は『HAWK GYM（ホークジム）』に所属する３名の選手に、減量中や普段の食生活について聞いてみました。
金沢市朝霧台にあるジムに突撃！
北陸有数のキックボクシングジムとして知られる『HAWK GYM』。約束の時間に訪れると、仕事帰りのサラリーマンや主婦でにぎわうトレーニングルームの片隅で、ひときわキレのある動きをする男たちが汗を流していました。
ーすみませ〜ん！
澤谷選手：シュッ！
ーすみませ〜ん！
松本選手：シュッ！
田中選手：シュシュッ！
ーすみませ〜ん！
澤谷選手：あっ、ごめんなさい。ちょっと集中してて。BONNOさんですよね？
ーそうです！
澤谷選手：お待たせしてすみません、本日はよろしくお願いします。
こちらは地元金沢を拠点に「RISE」の舞台で活躍する澤谷大樹さん。やっぱり試合の時と普通の時では顔つきも雰囲気も違うものなんですね。礼儀正しくて、爽やかで、男でも惚れてしまうようなオーラがあります。それでは改めまして、今回インタビューさせていただく「HAWK GYM」所属の３選手をご紹介していきましょう。
澤谷大樹（さわたにたいき）
RISEフェザー級4位、DEEP8代目チャンピオン
1999年生まれ、金沢市出身
戦歴：23戦15勝7敗（1KO）
タイトル：KC2022 -57.5kgトーナメント優勝、DEEP☆KICK-60kg王者、2018年RISING ROOKIES CUPフェザー級優勝、JAPAN CUP 2016 -60kgトーナメント優勝、第252回新空手道東京大会 K-2トーナメント軽量級優勝
Instagram：@ninzinndayo
田中佑樹（たなかゆうき）
RISEライト級12位、King of Rookie 2021新人王
2004年生まれ、河北郡出身
戦歴：5戦5勝（1KO）
タイトル：King of Rookie 2021 -63kg級優勝
Instagram：@yuuki__131
松本天志（まつもとてんし）
RISEフライ級2位
2004年生まれ、白山市出身
戦歴：8戦7勝1敗（3KO）
タイトル：RISE NEW WARRIORS フライ級（-51.5kg）トーナメント優勝、JAPAN CUP2021 -55kg準優勝
Instagram：@tenshi.424
RISEといえば那須川天心選手がホームリングとした日本有数のキックボクシングイベント。その公式ランキングに金沢の同じジムに所属する３人がランクインしているのってかなり奇跡的なことだと思うんです。この中からチャンピオンが生まれることを想像するとワクワクしますね。
現役キックボクサーの”食生活”を徹底解剖！
３人はプライベートでも大の仲良し。大樹さんと天志さんに至っては、子供の頃から同じ空手道場に通っていて、天志さんがキックボクシングに転向したのも大樹さんの影響なのだそうです。そんな感じで和気藹々とした雰囲気の中、インタビューが始まります。
ーそれにしても皆さんいい身体ですね。今は試合に向けて身体を絞っている時期なんですか？
田中選手：そうですね。僕はこれからの試合に向けて、調整段階に入っています。
澤谷選手：僕はこの前試合が終わったばかりなので、今週はオフの期間ですね。
ーえっ、１週間しか休めないんですか？
澤谷選手：次の試合が4月21日に決まっているので、そんなにゆっくりできないんですよ。今週ゆっくり休んで、残り1ヶ月で仕上げていく感じですね。
松本選手：大体2ヶ月に1回のペースで試合があるから、休めても１〜２週間。フライ級の僕でさえ試合後の1週間で3〜4kgは余裕で増えますし、そうしないと減量が間に合わないんです。
田中選手：試合の直前は水抜きしたりして極限まで絞るから戻るのも早いんだよね。
ー減量期はどれくらい絞るものなんですか？
田中選手：10〜12kgは絞りますね。
澤谷選手：僕は9〜11kgですね。フェザー級の試合に出るか、スーパーフェザーに出るかで変わってきますけど。
松本選手：自分は7kg位です。
ー１〜２ヶ月でそれだけ絞るとなるとトレーニングだけじゃ無理ですよね。減量期間中はどんなものを食べているんですか？
澤谷選手：プロテインを中心に、鶏のささみとかムネ肉みたいな高タンパク低カロリーの食べものを摂るようにしています。戦うために必要な筋肉を維持するためには、どうしてもタンパク質の力が必要なんですよ。
田中選手：僕も同じ理由で、サラダチキンとかカツオのたたきをよく食べます。
松本選手：鶏のムネ肉は定番ですよね。あとはローストビーフ。先月まで高校生だったから母親に助けられた部分も多いけど、これからは食事面も自分でコントロールしていかないとダメだと思っています。
澤谷選手：あとはサキイカとかスルメとかのおつまみ系のイカもよく食べます。脂質が少なくてタンパク質が多いし、たくさん噛むことで満腹感も生まれるんです。
ーボリューム的にはどれくらい食べるんですか？
澤谷選手：減量期でも３食はきっちりとるようにしています。じゃないと身体がもたないんですよ。
田中選手：食事の量は練習メニューによって決めています。ハードなトレーニングをした日はガッツリ食べるし、消費したカロリーを補うような感覚ですね。
松本選手：大樹さんと佑樹さんって米は食べるんですか？
田中選手：食べるよ。自分の場合は米を食べないと疲労が溜まってパフォーマンスが落ちてしまう自覚があるから、減量期でもなるべく炭水化物を取り入れるようにしているかな。
澤谷選手：練習前は息切れしないように意識的に米を食べたりするね。そこらへんは人それぞれ体質によって変わってくるんじゃないかな？
ー食べたいものを食べられないのって結構辛くないですか？
澤谷選手：そうですね。でも僕らは試合に出るために減量をしているので、そうも言っていられないんですよ。
田中選手：とはいっても自分に打ち勝つ気持ちは大事ですよね。たまに気持ちが折れそうになるときもあるし。松本選手：大樹さんと佑樹さんって米は食べるんですか？
澤谷選手：たしかに。試合に勝った時のうれしさと終わった後の開放感があるから、厳しい減量とトレーニングにも耐えられているのはあるね。
田中選手：天志なんて鶴来の家から自転車で通っていたからね。トレーニングが終わった後に15kmを走って帰るのはかなりキツかったと思う。
松本選手：その分、足腰は鍛えられましたけどね。車の免許を取ったら、身体が鈍らないように気をつけないと。
「爆食」することで戦略的に体重を落とす
ー食事制限する時のコツみたいなものはあるんですか？
澤谷選手：全員に共通しているのは週に１回チートデイを設けていることですね。その日だけは、好きなものを食べても良いみたいな。
ー我慢してばっかりだとストレスが溜まりますもんね。
澤谷選手：そうですね。ただそれよりも、チートデイを設定すると体重が減りやすくなるという理由の方が大きいですね。
田中選手：とくに減量の停滞期なんかには効果的です。
ーえっ、そうなんですか？
澤谷選手：摂取カロリーを制限すると、身体は自然と少ないエネルギーでまかなおうとして、代謝が落ちてしまうんです。代謝が落ちると体重が落ちにくくなる。それを防ぐために定期的に多めのエネルギーを補給して、基礎代謝の低下を抑えるといった戦略的な意味合いもあるんです。
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ーえっ、そうなんですか？
松本選手：僕は甘いものを食べますね。一番好きなのはドーナツ。
田中選手：自分は和菓子派。どらやき、大福。あんこが好き。
澤谷選手：僕はパンかな。好きなのはベーグルとメロンパン。それと試合が終わった後にかならず食べるのはピザですね。駅前にある「Da TAKE」って店にハマってます。
田中選手：自分は焼肉ですね。肉と米を死ぬほど食べたい！
澤谷選手：チートデイの次の日は平気で3〜4kg増えたりするので、それを１週間かけて4.5kgから5kg落としていく。減量期間中はその繰り返しですね。
ー本日はありがとうございました！それでは最後に、皆さんの目標を聞かせてください。
松本選手：キックボクシングの世界チャンピオンになること。松本天志という名前をだれもが知っているような選手になりたいです。
田中選手：だれからも認められるような絶対王者を目指しています。僕の階級だとONEという大きな団体があるので、まずはそこに出場できるように頑張りたいです。
澤谷選手：僕も佑樹と一緒でONEに出場できるように実績を積んでいく。あとはこのジムにたくさんの人が来てくれるようなバックアップもしていけたらと思っています。
そんな3名が所属する『HAWK GYM』では、“楽しく、無理なく継続できる”をコンセプトとしたパーソナルトレーニングを実施中。なんでも持久的に身体を動かす有酸素運動と筋力トレーニングのような無酸素運動を並行して行うキックボクシングは、脂肪燃焼効率に優れたエクササイズでもあるのだそうです。
皆さんも格闘の世界で活躍するアスリートの一挙手一投足に注目して、健康的に身体を鍛えるヒントを得てみてはいかがでしょうか。
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HAWK GYM（ホークジム）
住所／石川県金沢市朝霧台2-159
TEL.090-6816-0180
営業時間／8:00〜22:00
定休日／不定休
駐車場／あり
※こちらの情報は取材時点のものです。
（撮影／林 賢一郎）
