花粉症への効果をうたう健康茶にステロイド含有発覚 国民生活センターが注意喚起

 国民生活センターが12日、花粉症への効果をうたう市販の健康茶に医薬品にしか認められない「ステロイド」成分が含有されていたことが分かったと公式サイトで発表した。当該製品を飲用していた患者を診察する医師から、血液検査の値に異常が見られたとの通報で発覚した。同センターは健康への悪影響が懸念されるとして、飲用者には医療機関を受診するよう呼びかけている。

当該商品はすでに販売停止も、同様の商品多数流通

 同センターの発表によると、ステロイド含有が発覚したのは香塾(大阪市)が運営する通販サイトで扱われていた「ジャムー・ティー・ブラック」という商品。大手通販モールの楽天でも扱っていたが、すでに販売停止になっている。ある医師から、担当する患者に血液検査したところ副腎皮質ホルモン等の数値が低下していることを発見し、当該商品を飲用していたことを突き止め、飲用を止めてもらうと数値が回復したため、当該商品に抗炎症・抗アレルギー作用のあるステロイド成分が混入されていることが疑われるとの情報が寄せられたという。

 そこで同センターでは実際にこの商品を購入し成分検査した結果、医師の指摘通りステロイドの一種類である「デキサメタゾン」が含まれていたことが分かった。この事実は、当該商品が医薬品を規制する「医薬品医療機器等法」に違反している可能性を示すとともに、健康被害が懸念されるとして公表した。

 なお「ジャムー・ティー」は主にインドネシアで飲まれているポピュラーなお茶であり一般的な名称でもある。多くの通販サイトで同様のものが販売されており、今回ステロイド含有が発覚したのは、記事に紹介したアルミの袋で梱包されたもののみとなっていることに注意してほしい。同センターから販売停止を求められた「香塾」という名称のブランド名についても、販売会社が「香塾」「香塾堂」と類似するものが複数見られる。販売停止となっているのは同名の「香塾」と称する店舗の商品だが、現在店舗全体が「改装中」となっており、販売会社の実態が不明な状況だ。また、楽天以外の販売サイトについても「当社のものではない」などとして販売を継続している。

 いずれにしろこのような状況においては、不正な成分が入っていないと証明されていないものは、パッケージがどのようなものであっても信用しないことが、消費者としてはとるべき態度だろう。こうした商品は特に、販売会社によってパッケージは変えられるが、中身は同じ製造元の茶葉ということはよくあることだからだ。

複数の芸能人が「花粉症に効く」と紹介、釈明や対応に追われる

 当該商品は、花粉症の症状が軽減される、楽になったとして多くの芸能人が紹介しておりその点でも多くの波紋を呼んでいる。編集部が調べただけでもマヂカルラブリーの村上さん、ジャングルポケットの太田博久さん、パンサーの向井慧さん、アルコ&ピースの平子祐希さんがSNSや出演番組で言及しており、それぞれ釈明や、番組で言及した部分を削除するなど対応に追われている。

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