神姫バスとLocationMind、人流データを活用したダイヤ改正実施

LocationMind株式会社(以下、LocationMind)と神姫バス株式会社(以下、神姫バス)は、GPSデータから得られた地点間を移動する人流の推計値を活用し、時間あたりのバスの運行本数や出発時間の改正を行った。4月12日付のプレスリリースで明かしている。

両社は、2022年6月より協業を開始し、バスの運行ダイヤにGPSデータを活用する方法について検討を進めてきた。この協業では、人流データをどのように集計することが有効なのかを両社で協議を重ね、LocationMindが条件を変えながら集計した複数の人流推計データを作成している。

さらに、神姫バスが同データの評価を行いながら検討を重ね、三宮~ポートアイランド島内・神戸空港線でのバスの運行系統について検証。この結果、従来の神姫バスのノウハウでは捉えきれていなかった「需要」(人の移動の数)と「供給」(バスの運行本数)のギャップを可視化することに成功した。

両社は、今回の春のダイヤ改正において、「新神戸・三宮~神戸空港線」、「三宮・神戸~神戸医療産業都市(学校・企業群)線」、「三宮~IKEA神戸~神戸どうぶつ王国前(レジャー施設)線」の3路線で、時刻設定や停車便数の拡充を行っている。

なお、両社は、今後GPSを活用した運行系統について、乗客の乗降傾向をモニタリングしながら、今回の活用方法の評価、改善を進める予定だ。また、今回開発した「バス運行における需給ギャップの可視化」の方法については、さらに特徴の異なる多様な路線に対して、適用範囲を拡大できるような取り組みを進めていくという。そして、2022年夏から開発を進めている、クルマの移動における、バスの移動とバス以外のクルマを判定する交通モードアルゴリズムの実用化に向けて、協業を深化させていくと述べている。

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