屋敷林の手入れ任せて 富山県砺波市の支援隊、高齢者宅でせん定

屋敷林を剪定するカイニョお手入れ支援隊員=砺波市上中野

 富山県砺波市で屋敷林(カイニョ)の保全に取り組むボランティア団体「カイニョお手入れ支援隊」(松田憲代表)は13日、同市上中野に住む1人暮らしの高齢者宅の庭木をせん定した。小矢部園芸高校専攻科の卒業生と在校生の隊員計73人が、1日かけて作業に取り組み、伐採した枝は市のごみ処理施設「クリーンセンターとなみ」に運んだ。

 カイニョお手入れ支援隊は砺波平野の散居村の景観を守ろうと、2014年に結成された。体調や経済的な理由で庭木の手入れができない高齢者宅を対象に、年2回活動している。

 13日は、隊員が藤井佳乃さん(80)宅を訪れ、約2640平方メートルの敷地に植えられたスギやヒバなどの木を次々にせん定した。藤井さんは12年前に夫が亡くなってから1人暮らしで、庭は手つかずの状態だったという。「先祖が築いた屋敷林を伐採したくはないが、体の都合が悪く手入れができなかった。本当に助かる」とほっとした様子で話した。

 松田代表(74)は「活動を通じて、地域ぐるみで屋敷林を管理する仕組みを作っていきたい」とした。

伐採した屋敷林を運ぶカイニョお手入れ支援隊員
スギやヒバなどの枝を運ぶ隊員
スギの木に登り、枝を切り落とす隊員

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