【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第19話 球春到来!MLBキャンプ開幕!アリゾナ編

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

荒野を潤わすボールパーク

灼熱の太陽、ドライな空気、そしてサボテンといえば、アメリカ南西部・アリゾナ州。砂漠気候のため、冬にも暖かい環境で野球ができることから、フロリダとともにMLB15球団のスプリング・トレーニングが行われる場所です。

そんなアリゾナに本拠地を置くのが「ダイヤモンドバックス」です。前回ご紹介した「タンパベイ・レイズ」と共に、1998年のMLB球団数拡張で誕生。翌年には地区優勝を果たし、2001年には早くもワールド・チャンピオンに輝きました。

スタジアムの外野スタンドにあるプールとジャグジーは、まるで砂漠のオアシスのよう。暑さの中にも遊び心溢れるボールパークと、熱いシーズンの始まりを告げるスプリング・トレーニング in Arizonaです!

チェイス・フィールドへ

「フェニックス国際空港」が近づいてきたら、飛行機の窓から街へと目を移してみてください。ちょうどスタジアムの上空を通過するので、建物の全容が見えるはずです。空港から車で10分ほどとアクセスしやすい場所にあります。

至るところで色んな形をしたサボテンと出会えるのもアリゾナの楽しみ。大きなバットが並ぶオブジェが見えてきたら… Chase Field! Nice to meet you!!!

Ballparkの楽しみ方

MLBで最も新しい球団でありながらも、歴史を大切にしています。設立当初「寒色系」だったロゴを2007年に刷新。現在の「赤」をベースとしたものに生まれ変わり、より力強い印象になりました。そんなことも記されているヒストリー・コーナーには、野球殿堂入りも果たした名左腕ランディ・ジョンソンさんの功績や、史上最速の球団誕生4年目でワールドシリーズ制覇を成し遂げたチャンピオンズ・トロフィーやリングも飾られています。

アリゾナに生息している動物たちと触れ合えるコーナーでは、子供たちがおっかなびっくりに蛇や爬虫類にタッチ。地元のカルチャーを学んでいました。

砂漠のオアシス!

外野スタンドから涼しげな水の音が聞こえてきます。近づいてみてみると、そこにはなんとプールとジャグジーが! 試合を楽しみながら、暑くなってきたらプールに入って、冷えてきたらジャグジーで暖を取れるという、最高の空間です。VIPシートになっていて、数千ドルで貸し切り可能。とても開放的な気持ちになれそうですね!

[レッツゴー! ダイヤモンドバックス!](

アリゾナキャンプ2023

英語では「スプリング・トレーニング」と呼ばれる春季キャンプ。アリゾナには15球団が集まります。「カクタス・リーグ」の愛称でも親しまれ、オープン戦では、レギュラーシーズンではあまりお目にかかれないア・リーグとナ・リーグの対決も楽しめます。

それぞれのスタジアムが車で数分から数十分と隣接しているので、ハシゴして見て回るのもおすすめ。各球団、広大な敷地をキャンプ地としているので、8面ずつくらいフィールドがあって、ポジションごとに練習が行われます。

春季キャンプの魅力は選手との距離がとても近いこと。サインをお願いしたり、一緒に写真を撮ってもらったり、課題を持って練習に取り組む姿を見ることで、この一年の方向性を感じたり。シーズンがますます楽しくなる瞬間です。

ただ、アリゾナで注意していただきたいのが、とにかく乾燥がすごいこと。摂りすぎなくらいに水分補給を心がけて、熱いひとときを楽しんでください!

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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