離島留学課題検証へ 長崎県教委、壱岐の生徒死亡受け

 長崎県の離島留学制度を利用して県立壱岐高に在籍していた茨城県出身の男子生徒(17)が行方不明となり死亡したことなどを受け、長崎県教委は13日の定例教育委員会で、同制度の課題を検討する有識者らの委員会を20日に設置すると明らかにした。今後、生徒、生徒を預かる「里親」、保護者、教員を対象に実態調査を実施する。
 同制度は2003年度、離島の対馬、壱岐、五島の県立3高でスタート。現在は5高の国際文化やスポーツなど特色あるコースに島外の生徒が“留学”し、里親の元や寮で生活している。これまでに1129人が入学した。
 県教委の担当者は▽壱岐の生徒の死亡▽実施校数の増加▽さまざまな事情を抱えた生徒の入学-の3点を挙げ、「制度運営上の課題をとりまとめ、留学生が安心して生活できるよう必要な措置を検討したい」と述べた。
 具体的には留学生の相談体制、留学支援員の役割、保護者との連携、住環境、里親支援などを検討。有識者、県教委、各市教委などでつくる委員会を設置し、その下に対馬、壱岐、五島各市の検討部会を設ける。今月下旬からアンケートや聞き取りなどで実態を調査。各検討部会で結果を分析し、課題や要望を集約する。報告を受けた委員会は8月下旬に改善策や支援内容をとりまとめる。
 中﨑謙司教育長は「調査で上がってきた声をしっかりと検証し、対策を立てたい」と話した。

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