ピン型からマレットへ トム・キムが新しいカスタムパターについて語る

マスターズでパターを変更したトム・キム(Getty Images)

先週の「マスターズ」でトム・キムが敢行したパターのスイッチは、一見したところドラスティックだったが、実際のところは過去に慣れ親しんだパタースタイルへの回帰だった。

マレット型に替えた(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

すでにPGAツアーで2勝を挙げている20歳のキムは、フルタイムでPGAツアーに参戦して以来、主にホーゼルがプランバーネックになっているスコッティキャメロンのブレード型パターを使用してきた。いくつかの異なるタイプを使用してはいるものの、仕上げ、刻印、そして文字の色などを除くと、それらパターはほぼ同じ構造を持っていた。

普段からピン型を愛用(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

しかしながら、キムは「マスターズ」にてスイッチを試みた。ネックの形状こそ、それまで使用していたブレード型と同じカスタムのプランバーネックではあったものの、パターをスコッティキャメロン ツアーオンリーT5.5マレット型ヘッドに替えた。

キムが過去に使用していたマレットパターは、短いスラントネックで組まれていたが、その後、キムはプランバーネックのブレードデザインに慣れたため、スコッティキャメロンのチームはプランバーネックで新しいT5.5を組み上げた。

スコッティキャメロンは変わらず(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

スコッティキャメロンのツアー担当、ブラッド・クロークによると、キムは韓国にいた頃と、PGAツアーに出場した初期の大会では、かなり類似したスコッティキャメロンのマレットパターを使用していたという。見た目に以前使用していたモデルに寄せるため、クロークとスコッティキャメロンのチームは、かつてのキムのパターに入っていた3本のアライメントラインを同じ箇所に施した。この3本線は、アドレスでのボールに対するフレーミングを助け、ターゲットに対するキムのアライメントを助けている。

クランクネック(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

キムはテストを経てすぐに新しいパターにゴーサインを出した。クロークによると、相談を始めたのは3月初めの「アーノルド・パーマー招待」。「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」でキムに新しいパターを渡すと、16位タイだった「マスターズ」で早くも実戦投入された。

「僕はブレードにスイッチした数年前まで、マレット型のヘッドを使っていたんです。僕は常にブレーパターを使用してきましたが、1年間だけマレットを使用し、その後、ブレードに戻っていたんです」と、キムは「RBCヘリテージ」の火曜にGolfWRX.comに語った。

アライメントきっちり(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

「(ブレードタイプが)突然、しっくり来なくなったんです。より大型で安心できるものへ戻りたいと思った。見ての通り、彼らはネックについて、大きな仕事をして助けてくれました。と言うのも、パットの調子は良かったので、使っていたブレードからかけ離れたものは使いたくなかった。これは(前に使っていたものと)見た目が同じ。ラインも僕が前に使っていたものと同じ。古い友人の元へ戻ったような感じがします」

用具の話はさておき、キムは初出場を果たした「マスターズ」でのパフォーマンスについてどう感じているのだろう。

「しっかりプレーができたと感じました。ただ、やり直したいショットがたくさんあるので、そこにはフラストレーションが溜まっています。マスターズは常に出場したい、勝ちたいと思ってきた一番好きな大会の一つ。日曜に優勝するチャンスを得るのに十分なプレーはできたと感じたけれど、経験やそのホールに適したショットやパットを知らないといった、ちょっとしたことで差が出ました。しっかりノートに書き入れて、来年に備えたい」

差し当たり、キムはプランバーネックで組まれたカスタムの新しいT5.5マレットパターで、「RBCヘリテージ」の開催コースであるハーバータウンGLのグリーンに挑む。フェデックスカップポイントランクは11位。キャリア3勝目を狙っている。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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