茨城・つくば ホテルにミツバチ巣箱 豊かな緑農業貢献 養蜂知るきっかけに

ミツバチの巣箱を設置する竹内慧太社長=つくば市吾妻

ミツバチ約2万匹がすむ巣箱1箱が13日、茨城県つくば市吾妻の「ホテル日航つくば」11階テラスに設置された。同ホテルと竹内養蜂(愛知県)が協力して企画。巣箱を中心市街地のホテルに設置することで、緑を豊かにして農業へ貢献するミツバチの生態について周知する狙い。6月下旬まで設置予定で、同ホテルは採取した蜂蜜を使ったケーキやせっけんなどの商品を開発して販売する予定。

竹内養蜂によると、ミツバチは、蜜を集める際の移動で植物を受粉させ、果実が実る手助けをする。基本的にはおとなしく、巣箱に近づいて刺激しなければ刺されることはほとんどないという。ハウス栽培のイチゴやメロンなどの果実の実りには欠かせない存在だ。

同社4代目の竹内慧太社長(28)は「ホテルで採取した蜂蜜を食べておいしさを知ってもらい、養蜂に興味を持つきっかけにしてほしい」と話す。

同ホテルは、つくばエクスプレス(TX)つくば駅に隣接。ミツバチの行動範囲の半径約2キロメートル内には、街路樹や公園があり、ユリノキやトチノキなどの花が蜜源となる見込み。

この日は、竹内社長らが育てたセイヨウミツバチの巣箱を設置。11階のテラスはガラス張りで、来館者は室内から巣箱を見学できる。

5、6月の2回に分けて蜂蜜を採取する予定。同ホテルの担当者は「初年度なのでどのくらいの量が取れるか分からないが、少量でも活用してお客さまにお届けしたい。今後も年1回の設置の継続を考えたい」と話した。

© 株式会社茨城新聞社