職員の副業認める 得た経験行政に反映、和歌山県すさみ町

和歌山県すさみ町職員の副業の流れ

 和歌山県すさみ町は本年度から、職員の副業を認める規則の運用を始めた。地域おこしにつながるような活動を認めることで知識や経験が得られ、結果として職員の能力が高まり、行政サービスの質の向上にもつながると期待している。

 地方公務員法に基づく制度。副業を希望する職員が、所属長を通じて町長に許可を申請する仕組み。本業に支障を来さないか、利害関係の有無を確認するほか、公務員としての信用に影響しないかどうかも踏まえて判断する。

 規則の運用に際し、町は「まちづくり推進」「農林漁業の振興」「保健、医療、福祉の増進」「任命権者(町長)が認めるもの」など12項目を対象として挙げ、会計年度任用職員を含む全職員の約180人に通知した。

 副業の時間や報酬額は、内閣人事局が2019年3月に公表した内容を参考にする。時間は勤務時間外で週8時間以下、1カ月で30時間以下。報酬は「社会通念上、相当と認められる程度」とされている。

 さまざまな事例が想定されるため、ケース・バイ・ケースで判断する。具体例を示すことも検討する。

 職員の副業を認める背景には、町で進む過疎化と少子高齢化、後継者不足がある。3月末の町人口は3630人で、高齢化率は47.6%。10年前(2013年3月末)は人口4691人、高齢化率42%だった。

 一方、町職員の年代構成では20~30代が最多という。この職員らに職務外で地域へ出ることを促し、持続可能なまちづくりを進めていきたいという。

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