避難道路の整備を計画 マンホールトイレも、和歌山県みなべ町

町道埴田堺線から高台に向けて避難道路の整備が計画されている(和歌山県みなべ町堺で)

 和歌山県みなべ町は同町堺で、高台に避難するための道路整備を計画している。同町の南道と東吉田にまたがる防災拠点エリア内に、災害時の簡易トイレ「マンホールトイレ」や消防車庫の建設も計画しており、本年度も防災対策のための事業を積極的に進める。

 堺地区は海岸に近く、南海トラフの巨大地震を想定した町の津波ハザードマップでは、地震発生後24分で高さ10メートルの津波が押し寄せるとされている。高台にスムーズに避難できるよう、町道埴田堺線から北側に向けて延長約350メートルの道路を整備する計画。測量設計費として2千万円を本年度一般会計予算に計上している。

 堺地区には津波を想定した避難所はなく、避難道路が完成すれば、避難施設も建築する計画。風水害を想定した避難所としては堺子供会館が指定されている。

 町内の大規模な避難道路としては、防災拠点エリアに通じる道路(延長約800メートル)が既に完成しているほか、同町埴田では高台の避難場所「埴田医王寺」まで通じる道路(延長約500メートル)の整備が進められている。埴田では本年度、延長約240メートル区間で道路を整備する予定で、工事費5千万円を本年度一般会計予算に計上している。

 本年度、防災拠点エリア内の防災広場に設置するマンホールトイレは、3千人の避難を想定し40基を計画している。予算は7千万円。

 防災拠点エリア内の消防車庫は、地元の第2分団第3班(東吉田・芝)が利用する。団員の詰め所もある。予算は4千万円で、今月末に完成する防災備蓄倉庫の隣接地に建築する。

マンホールトイレの建築が計画されている空き地。奥はみなべ愛之園こども園(みなべ町の防災拠点エリアで)
消防車庫が建築される防災備蓄倉庫(右奥)の隣接地=みなべ町の防災拠点エリアで
計画されている避難道路 地図

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