『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃に現代女性が共感するわけ。女らしさと自分らしさ、どっちを望む?

アニメ3期となる刀鍛冶の里編の放送もスタートし『鬼滅の刃』。ますます激化する上弦の鬼との戦いに、目まぐるしく変わり続ける主人公・炭治郎&禰豆子兄妹を取り巻く環境。後半戦へ突入する物語の展開に、今後もさらに目が離せません。

そんな『鬼滅の刃』の様々なキャラクターの魅力にスポットを当てる本シリーズ。
今回ピックアップするのは、次なるエピソード・刀鍛冶の里編で活躍を見せる恋柱こと甘露寺蜜璃です。

「鬼滅の刃」公式ポータルサイトより

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華やかで可愛いルックスで、男女問わず大勢のファンから人気を集める甘露寺蜜璃。そんな彼女の真の魅力は目を引く外見だけでなく、強くしなやかな内面にもその秘密がありました。多くのファンを魅了する彼女の秘密について、今回はたっぷり解説していきましょう。

※本記事は性質上、原作の内容を含みます。

甘露寺蜜璃の真の魅力は「自分らしさ」を貫く芯の強さ

鬼殺隊の主戦力となる九人の柱。組織の中でも異例の強さを誇る隊士・柱の一員でもあるのが、恋柱を襲名している甘露寺蜜璃です。炎の呼吸から派生した恋の呼吸の使い手で、ピンクと緑のツートンカラーの髪やセクシーな衣装が目を引きがちな彼女。

たくさんの男性にときめいたり、時折無邪気な一面を見せたり。その印象は「恋に恋するかわいい女の子」というイメージの方も多いことでしょう。

そんな彼女が鬼殺隊に入ってきたのは、「添い遂げる素敵な殿方を見つけるため」という一見かなり変わった理由から。人によっては「そんな理由でこんな危ない場所に!?」とすら思ってしまうようなその動機。

ですが「より強くて素敵な殿方と出会うため自身も柱まで上り詰めた」と聞けば、彼女のその思いが生半可なものではないことも伝わってくるように感じます。

確かに鬼殺隊という場所は、非常に過酷で危険な場所でもあります。どうしてそんな場所に身を投じてまで、彼女は自らの理想の男性を追い求めるのか。

それには彼女の過去と、あまりにも「女性らしくない」自身の体質が大きな理由ともなっていました。

「女性らしさ」と「自分らしさ」。私が本当に幸せになれるのは、一体どっち?

キュートな外見と愛らしい振る舞いで、一見非常に「女性らしい」人物にも見える甘露寺。ですが実は彼女には、あまりにも「女性らしさ」とはかけ離れた隠された自身の体質がありました。

それはなんと、常人の八倍の筋肉量を持っているというもの。普通の女性のように見える彼女ですが、実はとんでもない怪力の持ち主なのです。
またそれ故かなりの大食いでもあり、その食事量は相撲取り3人分をゆうに超えるもの。さらに個性的な髪色は後天性で、大好物の桜餅を食べすぎたのが原因でした。

清楚で貞淑な女性像が理想とされた大正の時代で、甘露寺蜜璃という女性はあまりにも「女性らしくない」人物です。

上記の理由が原因で、彼女は一度男性から辛辣な言葉を浴びせられ、酷いお見合いの破談の仕方をしています。 特に若い女の子にとって、幸せなお嫁さんになる夢はいつの時代も普遍的なもの。

ただし彼女は、ありのままの自分では到底その夢が叶わないことを知ってしまいます。可愛らしい髪を地味な黒粉で染め、食事量も頭が朦朧とするほど減らし、たくさん嘘をついて力も弱いふりをして……至極ありふれた、幸せなお嫁さんになりたいという夢。彼女にとってそれは、「自分らしい」をひた隠しにしてでも叶えたい、切実な夢だったのです。 そんな必死の努力の甲斐あって、再び彼女の前には自分と結婚したい、と言う男性が現れました。

ですが彼女は徹底的に嘘で塗り固めた自分を好いた人と添い遂げることに、大きな疑問を感じます。

このまま残りの人生数十年間、私は「女性らしい」けれど「自分らしくない」自分で一生を生きていくのだろうか。 自分自身に投げかけたその問いに、結果彼女が出した答えはNOでした。

偽らなくてもいい、隠さなくてもいい。怪力で、大食いで、奇抜な髪色の自分でも、愛してくれる人を、受け入れてくれる人を見つけたい。

彼女が鬼殺隊に入った「添い遂げる殿方を見つけたい」という動機は、言い換えれば「ありのままの自分を愛してくれる人に出会いたい」というものだったのです。 彼女のこの願いに、自分も覚えがあるという人は男女問わずきっと多いはず。

こうして彼女は「女性らしくない」、けれど「自分らしい」自分を貫くために、この過酷な鬼殺隊に身を置くことを選んだのです。

過酷に見える環境でも、自分らしい生き方を探し求めて辿り着いた場所

確かに鬼殺隊という場所は、常に命の危険と隣り合わせの場所です。自分ではない誰かのために大勢が戦う中、ともすれば悲痛な覚悟で日々鬼と対峙する人もいたことでしょう。もちろん甘露寺も、そんな自分ではない誰かのために戦う人物のひとりでした。

ですが彼女の場合はきっと大勢の人を救う中で、自分自身もまた助けた人々に何度も何度も救われていたことでしょう。

女性らしくない、気持ち悪いと詰られた彼女の特異体質を悪く言う人はここにはいません。彼女の持つ人と違う体質は、鬼に襲われた人々に感謝される大きな武器となりました。

「女性らしくない」けれど「自分らしい」彼女の力は、この鬼殺隊という場所だからこそ大きな強みとなったのです。

ありのままの自分で生きるために、過酷な状況に身を投じることを選ぶ。口で言う事は簡単ですが、その決断にはもちろん勇気が必要だったはず。 その選択肢を取ることができる彼女は、現代の私たちから見れば間違いなく強くしなやかで、そして魅力的な女性であることに違いありません。 様々なシーンに於いて、女性の社会的地位向上の拡大が着々と広がりつつある現代。ですが一方で、まだまだ「女性らしさ」と「自分らしさ」の狭間で悩む人はきっと多いはず。

そんな人たちにとって彼女の存在は、まさに理想とするべき形のひとつでもあります。朗らかでまっすぐで、そしてしなやかな芯の強さを持つ女性である甘露寺。 だからこそ彼女は、ここまで大勢の人々に熱い人気を得ているキャラクターとなっているのでしょう。

(執筆:曽我美なつめ)

テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 第1弾PV

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甘露寺蜜璃プロフィール

甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)

CV:花澤香菜

年齢:19歳

誕生日:6月1日

身長: 167cm

好物:桜餅鬼殺隊の主軸となる”柱”のひとり。恋柱。

(公式サイトより引用)

『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』

■放送開始日
4月9日(日)夜11時15分より全国フジテレビ系列にて、
4月15日(土)夜11時30分よりTOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビにて放送開始
初回は一時間スペシャル
各配信プラットフォームでも随時配信予定

■スタッフ
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島 晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野 学
音楽:梶浦由記、椎名 豪
アニメーション制作:ufotable

■キャスト
竈門炭治郎(かまど・たんじろう):花江夏樹
竈門襧豆子(かまど・ねずこ)※:鬼頭明里
時透無一郎(ときとう・むいちろう):河西健吾
甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり):花澤香菜
玄弥(げんや):岡本信彦

半天狗(はんてんぐ):古川登志夫
玉壺(ぎょっこ):鳥海浩輔

※ 禰󠄀豆子の「禰󠄀」は「ネ+爾」が正しい表記。

■オープニングテーマ
MAN WITH A MISSION × milet「絆ノ奇跡」
(Sony Music Records)

■公式サイト
https://kimetsu.com/anime/

■Twitter
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