ジュニアの姿で球筋を意識 申ジエは初日に照準合わせ首位

永久シード獲得へ通算30勝を目指す申ジエ(撮影/和田慎太郎)

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 初日(14日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6623yd(パー72)

今季の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を制した申ジエ(韓国)が7バーディ、1ボギーの「66」で回り、6アンダー単独首位で滑り出した。

初戦で優勝を挙げて以来、予選落ち(明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ)→3位タイ(Tポイント×ENEOS)→予選落ち(アクサレディス in MIYAZAKI)と波がある成績で、「初日にいいプレーが出来ていなかったので、今回はいいプレーがしたかった」。雨模様だった天気予報をしっかり把握し、第1ラウンドの「準備はちゃんとしてきた」のが実を結んだ。

ロープの外にも意識を向けてコース攻略(撮影/和田慎太郎)

フェアウェイど真ん中に木が構えるホールがあるなど、ティショットの狙い幅が狭いのが特徴のコース。「ショートホール(パー3)を除く14ホールで、ドライバーを握るのは半分もない」と1打目の優れた判断力が欠かせない。「前半はティショットが良くなくて大変だったけれど、ガマンしてパーを獲れたのもあって逆にいい流れになった」と後半に11番(パー5)から3連続、16番(パー3)から2連続バーディを奪ってスコアを伸ばした。

ちょうど7年前、熊本地震が起きた2016年大会の記憶はいまも鮮明。「(一度目の震度7を観測した揺れが)ちょうど寝てすぐに起きた。そのあと1週間から10日は眠れなかった。ベッドに入っても思い出しちゃって」。母国で味わったことのない揺れに怯え、周辺に被害が無いことを祈っていた。

そんな申はこの日のラウンド中、意識して「真っすぐなボールだけでなく、色んな(球筋の)ボールを打ちました」という。「熊本はジュニアが多い。プレー中に子どもたちの姿が見えたので」。プロゴルファーとして地域に少しでも貢献できることがある。サービス精神を大いに発揮しながら好スタートを切った。(熊本菊陽町/石井操)

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