パワハラで賠償命令 水戸地裁 ゆうちょ銀に55万円

水戸地裁=水戸市大町1丁目

ゆうちょ銀行勤務時に上司や同僚からパワハラや嫌がらせを受け抑うつ状態になったとして、元職員の男性(68)が同行に1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、水戸地裁であった。阿部雅彦裁判長(三上乃理子裁判長が代読)は訴えの一部を認め、同行に55万円の支払いを命じた。

判決理由で阿部裁判長は、上司が2013年、男性に退職届を提出するよう述べたことを「社会通念に照らし、度を過ぎた言動」と指摘。別の上司が15~16年、男性の髪に多数回にわたり整髪料をつけて髪形を変え、周囲が止めなかったことについても、同行が職場環境配慮義務に違反していると判断した。

一方で、仕事が与えられなかったり、ひざまずきを強要されたりしたなど他の主張は、時効が成立していることや証拠がないことを理由に退けた。

男性は判決後に記者会見し、「結果は求めていたものとはほど遠い。何よりも悲しい。自分の過去の人生は何だったのかと思う」と話した。

同行広報部は「判決書を受領していないため、現時点でのコメントは差し控えたい」とした。

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