統一地方選 茨城 水戸、日立、取手 一騎打ちへ 3市長選16日告示、12市議選も

統一地方選の後半戦(23日投開票)のうち、茨城県内は3市長選と12市議選、取手市議補選(欠員2)が16日、告示される。市長選は水戸、日立が現職と新人による一騎打ち、取手は新人同士の一騎打ちが予想される。日立は24年ぶりの選挙戦となる見込み。市議選は水戸、日立、土浦、古河、石岡、結城、龍ケ崎、常総、牛久、鹿嶋、筑西、行方の12カ所。取手市議補選は無投票の公算が高い。

■現新再対決に 水戸市長

水戸市長選は、4選を目指す現職の高橋靖氏(57)と、新人の大内久美子氏(73)=共産推薦=がともに無所属での立候補を予定しており、現新2氏による一騎打ちとなる見込み。前々回2015年選挙と同じ顔触れでの争いが濃厚となっている。

高橋氏は、人口減少の中で子育て支援を「一丁目一番地の政策」と強調し、若い世代から選ばれるまちづくりの推進を掲げる。市庁舎建て替えなど4大プロジェクトの完了や、中核市移行、保育所定員の大幅増といった3期12年の実績をアピールする。

大内氏は、新市民会館の整備事業に反対する市民団体の後押しを受け、3月に出馬を表明。水戸市議、県議を5期ずつ務めた経験から、医療、福祉の充実や大型公共事業の中止、中小企業・農林業の支援を掲げ、東海第2原発の再稼働反対も訴える。

■現新争う公算 日立市長

日立市長選は、3選を目指す現職の小川春樹氏(75)=自民、公明、国民推薦=と、新人の電気工事会社社長、田村弘氏(51)が、いずれも無所属で立候補を予定し、現新2氏の一騎打ちとなる公算が高い。選挙戦は1999年以来24年ぶりとなる。

小川氏は、地域周産期母子医療センターの再開など2期8年の実績を強調。若者や女性を重視した人口減少対策や市立特別支援学校の県立化、BRT(バス高速輸送システム)延伸などを重点政策に掲げる。政党や連合茨城、企業・団体から幅広い支持を固めた。

田村氏は、元FMひたち代表理事。市長選が5回連続で無投票だったことを問題視し、3月に出馬表明した。「世代交代」を掲げ、市長報酬30%と退職金50%の削減による市民税減税、0歳からの育児支援、かみね動物園へのパンダ誘致の見直しなどを訴える。

■新人の戦いか 取手市長

取手市長選は、ともに無所属で、元県議の中村修氏(61)=自民、国民推薦=と、元市議の小池悦子氏(47)=共産推薦=の新人同士による一騎打ちとなる公算が高い。中心市街地再開発など今後のまちづくりを含めた市政の在り方、少子高齢化対策などが争点となる見通し。

中村氏は「現市政の継続を基本に、財政健全化や子育て施策を強化していきたい」と話し、JR取手駅西口再開発や桑原地区整備の推進、事務事業の見直し、ふるさと納税倍増などによる財源確保、子育て支援の充実などを公約に掲げる。

小池氏は「暮らしと健康が最優先の市政を目指す」として、駅西口再開発と桑原地区整備の開発手法を見直し、福祉充実の市政への転換を訴える。暮らしと営業を守る緊急策の実施、学校給食費無料化へ早期5割減などを公約に挙げる。

■266議席に326人準備 12市議選、選挙戦へ

県内12市議選では14日現在、計266議席に対し、326人が立候補を準備している。いずれも選挙戦となる見通し。16日の告示を前に、まだ数人が動きを見せている。選挙戦では、人口減少の中、地域活性化や子育て支援、地域経済の回復などを巡り、論戦が繰り広げられる。

立候補予定者の内訳は、現職211人、元職14人、新人101人。党派別では自民18人、立民7人、維新4人、公明34人、国民3人、共産21人、れいわ1人、社民1人、参政4人、諸派3人、無所属230人の見込み。女性は59人で、全体の18.0%。

立候補予定者が定数を最も多く上回っているのは、石岡の9人超で、混戦が見込まれる。このほか水戸、土浦、古河、牛久の4市では、それぞれ7人オーバーと予想される。

前回2019年から定数が削減されたのは、日立(4減)と常総(2減)の2市で、ともに定数を4人上回る見通し。

ベテラン議員の引退も見られる中、水戸、土浦、石岡、牛久の4市では、それぞれ10人を超える新人が立候補を準備している。

取手市議補選(欠員2)は、新人2人の立候補が見込まれ、無投票の公算が大きい。内訳は共産1人、無所属1人。

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