「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈11〉1軍昇格しアピール 「食事もトレーニング」

 2023年3月30日、今シーズンのプロ野球が開幕。埼玉西武ライオンズは31日に本拠地で昨年の覇者、オリックス・バファローズを迎え、試合前には盛大な開幕セレモニーが行われたが、そこに滝澤夏央の姿はなかった。
 春季キャンプをB班で終え、3月のオープン戦でA班に合流するも開幕1軍の目標を達成することはできなかった。「A班を離れる時に首脳陣から、試合経験を積んで将来的にレギュラーを目指してほしいと言われて、もちろん悔しい気持ちもありましたけど、そこをモチベーションに今は頑張っています」と胸の内を明かしてくれた。

本拠地のベルーナドームで遊撃の守備に就く滝澤(球団提供)

 走攻守と体力的な部分を含め、まだ1軍レベルではないと感じている滝澤は、特にここ半年ほどは自分のバッティングを見失っていたという。「コーチからたくさんアドバイスを頂いた中で、最近では自分の感覚、調子が良くなってきたと感じています。また、源田(壮亮)さんと一緒に自主トレをしたことで、守備への取り組み方や意識の持ち方も変わって、まだまだうまくいかない部分もありますが、もっと形からしっかりやろうと思っています」と前を向く。

打席に立つ滝澤。打撃面では感覚が良くなってきたと感じている

 体力を付けるという点においては、食事から見直すことを決めた。量はもちろん栄養バランスも考え、「もともとたくさん食べられないので、正直めちゃくちゃきついし時間もかかりますけど、頑張っています。食事もトレーニングです」と自らを奮い立たせる。まずは体重をキープするところから、そして体が重くなって持ち味であるスピード感を失わないように気を使っている。
 どれもすぐに結果が出るものではないが、「いつか自分が1軍で活躍するんだという気持ちでやっているので焦りはありません。今を頑張っている感じです。目の前のことより将来を見て、一つ一つ丁寧に取り組んでいくだけです」と頼もしい姿を見せた滝澤だったが、4月8日に1軍昇格となった。「源田さんが不在の間は必ずチャンスが来ると思って準備していました。1軍に帯同したい、試合に出たいという気持ちは変わらないので、そこの気持ちを切らさずにやってきて良かったと思っています。少ない出場機会で今の自分がアピールできることをしっかりやるだけです」と意気込みを語った。
 11日には午後1時からのファームの公式戦に出場後に同6時からの1軍の試合に出場するという〝親子ゲーム〟を経験。体力的な部分や、試合の緊張感が続くので非常に疲れるが、1打席でも多く立つことが自分のためになると踏ん張る。
 滝澤は「僕の後援会ができたと聞きました。まだ試合の出場機会が少ない自分のために申し訳ない気持ちと、つくってもらったからには頑張らなければいけないと、あらためて思いました」と地元への恩返しを誓った。(西武ライオンズ広報部)

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