熱戦が続く欧州サッカーシーンはここからが佳境だ。
ここでは、『FourFourTwo』による「いま地上で最も優れた右ウィングBEST10」を見てみよう。
10位 アントニ(マンチェスター・ユナイテッド)
移籍金8500万ポンド(141億円)は高すぎる?おそらくそうだろう。だからといって、彼がワクワクしないわけではない。
マンチェスター・ユナイテッドの億万長者はこれまでのところ、ディフェンダーの周りをダンスし、爆発的なフィニッシュを披露。疑いの目もあったが、ワクワクさせる存在になっている。
23歳とまだ若く、年齢を重ねるごとに成長するはずだ。
9位 ムサ・ディアビ(レヴァークーゼン)
左利きでカットインを好む彼は、スピードとDFを切り裂く姿からアリエン・ロッベンと比較されることが多い。
ドリブルスキルも立派なものでゴールだけでなくアシストも多く、パスセンスがあることは明白だ。プレミアリーグのクラブからも熱視線が送られている。
8位 デヤン・クルセフスキ(トッテナム)
トッテナムは彼がいるのといないとでは大差があるが、それは彼の持つ素晴らしくオールラウンドなプレーによるものが大きい。
彼にはオーバーラップするウィンガーや連携プレーをするMFは必要ない。そのフィジカルとテクニックでハリー・ケインとソン・フンミンの横で創造力を発揮できる。
今季はそれほどでもないため、本来の順位よりは低い。ただ、アントニオ・コンテ監督のシステムでは息苦しさを感じていたため、指揮官がいなくなったことでまた輝くことになりそうだ。
7位 ミゲル・アルミロン(ニューカッスル)
今季のサプライズは彼だ。それまではプレミア通算9ゴールだったが、今季は25試合で11ゴールを叩き出すなどブレイク。
電撃的なアルミロンはブルーノ・ギマランイスやカラム・ウィルソンらとともに躍動。イングランドに来る前にMLSで大成功を収めていた理由をまざまざと見せつけている。
今季のMVP候補のひとりとしてニューカッスルを3位に押し上げる原動力になっており、その勢いは衰えそうにない。
6位 セルジュ・ニャブリ(バイエルン・ミュンヘン)
2026年までの契約を結ぶ彼はドイツで最も信頼できるパフォーマーのひとりであり、レギュラーの地位を確立。
彼がもたらすものはご存知だろう。両足が使えて、爆発力があり、インテリジェンスもあり、インサイドでもアウトサイドでもDFを打ち負かせる。
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なによりも非常におもしろみがあり、その気になれば相手を弄ぶことができる。彼がドイツで愛されるには理由があるのだ。
5位 リヤド・マフレズ(マンチェスター・シティ)
左足からのカットインを武器にシティとレスターで飛び抜けたキャリアを築いてきた。
これまでよりは先発出場が減っているかもしれないが、このアルジェリア人はチャンスメイク力と得点源としてビッグゲームで頼りになる存在になってきた。
32歳と全盛期は過ぎたかもしれないが、それでも並外れている。
4位 ラフィーニャ(バルセロナ)
ウスマヌ・デンベレと右ウィングの座を争うことになった彼はバルセロナでのキャリアはスロースタートになった。
1月にデンベレがハムストリングを痛めると、チャビ監督はラフィーニャに信頼を寄せるようになり、彼はそれを裏切らなかった。
2月以降は重要なゴールを4つも決めるなどチームの優勝争いを牽引。バルサがリーズに多額の移籍金を支払って引き抜いた理由を示してみせた。
魔法のような左足を生かし、カットインからのロベルト・レヴァンドフスキへのアシストでも貢献している。
3位 ロドリゴ(レアル・マドリー)
カルロ・アンチェロッティ監督のもとでは、フェデ・バルベルデが右サイドで何度も起用されてきた。
それはナンバーワンの補強候補だったキリアン・エムバペを確保できなかったドミノ効果とでも呼べるだろうか。
とはいえ、レアルにはすでに宝石のような右ウィングがいる。
ロドリゴにはレアルのレジェンドたちが持っていた非常に大事な勝負強さという遺伝子がある。最も重要な試合で決定的な仕事ができるのだ。
このブラジル人は決定力と落ち着きがあり、右サイドを制圧する。相手のサイドバックたちを震え上がらせてきたが、彼らを責められるだろうか。
2位 モハメド・サラー(リヴァプール)
かつては右ウィングの金字塔だったサラーだが、今季はそれまでのような驚異的なパフォーマンスには及ばず、このランキングで少しだけ順位を下げた。
ただ、謎の不調に陥っている今季のリヴァプールのなかで彼は依然として傑出したパフォーマーのひとりとなっている。
右ウィングのニュージェネレーションを打ち立ててきたサラーはこの5年ほど不朽の存在だった。
アンフィールドでのキャリアを振り返ってみて考えてみてほしい。プレミアリーグにこれほど一貫して素晴らしいパフォーマンスを続けてきたFWが何人いるかと。
統計的にはクリスティアーノ・ロナウドやティエリ・アンリに匹敵する。
レッズに何が起きても、彼らのタリズマンは不変。単なるウィンガー以上の存在であり、ユルゲン・クロップ監督にとっての主軸だ。
1位 ブカヨ・サカ(アーセナル)
彼はこの3年でスピードあるサイドバックから世界最高峰のウィンガーへと変貌した。まだ21歳であり、世界は彼の足元にある。
スピード、周囲の状況把握、パススキルは全て素晴らしいが、その成長を支えているのは、持ち前の判断力だ。
ボールのあるなしにかかわらず、常にほぼ100%正しい判断をしている。そのため封じ込めるのはほぼ不可能だ。
アーセナルの優勝争いにおいて重要な存在だが、また成長途中。20代中盤になった時にはおそろしくほど素晴らしくなっているかもしれない。