“裏街道”でベストスコア「63」 平田憲聖が4打差3位に急浮上

ギリギリ予選通過の“裏街道”から「63」で3位に急浮上(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇関西オープン 3日目(15日)◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪)◇7051yd(パー71)

最終ホールは9番パー5。ピンまで123ydの第3打をPWで1.5mにつけ、平田憲聖が8個目のバーディで締めくくった。「前半最後の18番(パー5)で取れなかったんで、9番は、と思ってました。途中から8アンダー(63)を出したいと思っていたし、完璧でしたね」

この日の9番はホール別難易度6位。ほとんどの選手がフェアウェイ途中のえぐれた“谷”を避けるためにアイアンを握る“変則ロング”は、3つのパー5の中で飛び抜けてやっかいだ。そこをバーディで締め、ノーボギーの「63」にまとめてみせた。

予選ラウンドは通算1アンダー、カットライン上で通過した。初日がバーディなしの「73」で99位。パットで右肩が下がるストロークになっていることに気づき、下がらぬように修正して臨んだ第2ラウンドの「68」で決勝に滑り込んだ。47位から出たこの日はインスタートの“裏街道”で回り、リーダーボードを駆け上がった。

関西の大学ゴルフ界の強豪・大阪学院大3年だった21年に「日本学生選手権」のタイトルを獲得。QTが最終前のサードステージから受験可能となったため、プロ転向。学生プロで戦った昨季は賞金ランク58位に入ってシードを奪取した。

関西ゴルフ連盟(KGU)主催の今大会には、自分と同じルートで学生プロになった宇喜多飛翔(うきた・つばさ)を含め、大学の後輩9人が出場している。「プロの先輩として、かっこいい姿を見せたいです」。開催コースは大阪学院大高時、ディボット跡を目土で埋めて回り、その代わりにハーフを回らせてもらっていた。恩返しの思いも胸に最終日、ツアー初優勝に挑戦する。(大阪府堺市/加藤裕一)

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