富山県を代表する山岳観光地・立山黒部アルペンルートが15日、全線開通した。政府の新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されたことを追い風に、多くの訪日外国人観光客(インバウンド)が来場。初日の入り込み客数(速報値)は富山側2955人、長野側2013人の計4968人で、コロナ禍の昨季と比べて約3倍に増えた。
この時季の目玉イベント「雪の大谷ウオーク」では、観光客が高さ13メートルの雪壁の間を散策した。暖冬の影響で昨季より5メートル低く、1998年、2016年と並んで史上最低となった。さらに、この日は冷たい雨も降ったが、観光客らは雲上の壮大な銀世界を満喫。立山・室堂周辺には、以前のような活気が戻りつつある。
アルペンルートを運営する立山黒部貫光によると、コロナ禍の3年間は外国人客がほとんどいなかった。今年4~5月の団体予約客は国内4割、海外6割で予約は堅調に推移。特に台湾や香港、シンガポールから訪れる人が目立つ。見角要社長は、台湾や韓国と富山空港を結ぶチャーター便の運航が来場者の増加につながっていると説明。「久しぶりに活気あふれるアルペンルートになり、ようやく明るい兆しが見えてきた」と語った。