独創的な力作ずらり 富山県小矢部市で現代造形展開幕

大賞に輝いた園部さん(左)のギャラリートークに聞き入る来場者

 最先端の現代アートを発信する全国公募展「現代造形展」が15日、富山県小矢部市のアートハウスおやべで開幕した。平面、立体、インスタレーションの3部門で秀作35点を紹介。オリジナリティーあふれる作品がそろい、来場者が独特の世界観を楽しんだ。5月21日まで。

 現代造形展はアートハウスおやべが2年に1度開き4回目。新型コロナウイルスの影響で前回取りやめたインスタレーション部門を復活させ、41都道府県と海外から359点の応募があった。

 大賞・小矢部市長賞に輝いたのは園部惠永子(ええこ)さん(東京)の「新宿壁コレクション-旅-」。東京・新宿のさまざまな場所の壁を模写した木製パネルを新宿のバーに置き、来店客に絵を塗り重ねてもらって仕上げた。パイプの先にフェルトペンを取り付けた自作の筆や、バーカウンターも設置。園部さんは「受賞は作家活動の励みになる。見る人の気持ちに何か変化があればうれしい」と話した。

 特別賞・北日本新聞社賞の中井輪(りん)さん(石川)の「絵画と映画の融合-『タブロー』に内在する外の観点から-」は油絵と映像を組み合わせ、似て非なる二つの奇妙な世界を表現。同賞・市企業協会長賞の古屋真美さん(東京)の「確かめている」は衣服を版画の技法で紙に刷り、天井や空間につり下げて展示している。大賞、特別賞はいずれもインスタレーション。

 開会式でアートハウスおやべの野澤敏夫アートプロデューサーがあいさつ。桜井森夫市長と木村北日本新聞社取締役西部本社代表、島津貴之市企業協会副会長が入賞者に表彰状を手渡した。審査員代表の島敦彦国立国際美術館長(富山市出身)が総評した。出品者によるギャラリートークもあった。北日本新聞社など共催。

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